これは、私の一方的な思い...つまり、片思い。
しかも、初恋。
3年生で初めて同じクラスになった彼とは、クラス替え当初の席が隣で、そこから仲良くなった。
最初は、これが恋心だなんて全然気づかなかったけれど、天宮くんが他の女の子と仲良さそうに喋ってる姿を見て、「好き」って気づいたんだ。
...後から知ったんだけど、天宮くんは学園の王子らしい。
そりゃ、イケメンだし、頭もいいし、運動できるし、多才だからね...。
こんな完璧人間いる!?ってくらい完璧な人なんです!!!
...そんな彼は学年関係なく、モテる。
────だから、絶対に叶わない恋。
私なんて、成績最悪、運動音痴、おまけに容姿は中の下。
私が天宮くんを好きだなんて、大それたことで...
奈由ちゃんにこの気持ちを話したら、「あー、天宮くんね...誰でも1度は通る道よ。」って言われちゃって...
これが本当の恋なのかは、私にはまだ分からない。
けど、はっきりしていることは、天宮くんと話すと胸が締めつけられて、きゅんと苦しいんだ。
私の気なんて知らないで、天宮くんは今日も友達として私に話しかけてくる。
それが嬉しくもあり、悲しいんだ。
...私の事、恋愛対象として見てくれたらな...なんて、欲張りになっちゃうの。
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午後の授業も終わり、あとは家に帰るだけ。
家に帰ったら、小説 「何度でも、君と。」を読もうと、早く支度をしていた。
「佳莉ー。」
すると、大好きなあの人の声。
振り向くと、天宮くんがいた。
「な、なにー?」
動揺を隠しきれてなかったが、なんとか返事する。
「...今日、一緒に帰れるか?」
ガタンッ
持っていた教科書を落としてしまった。
...え? 今なんて?
「...もう1回、言ってもらっていい?」
「...だから、今日一緒に帰れるかって聞いてんの。」
「...あー、か、帰れるよ!!」
「? そっか、んじゃちょっと待ってて。」
嘘...一緒に帰ろうって誘われた。
天宮くんを好きになってから、天宮くんからの初めてのお誘い!!!
どうしよ...嬉しすぎて、泣きそう(慌)。
帰るって、二人きりだよね???
あわわわわわわわわ、だ、大丈夫かな!!?
髪変じゃないよね?
メイク変じゃないよね?
帰る前に、お手洗いに行こう...
周りから見たら、クラスメイトに一緒に帰ろうって誘われただけに見えると思う。
けど、私にとっては一大事。
今日あった小テストが、100点中30点だったことなんて忘れて、ただただ浮かれてた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。