深澤side



もし、神様がいて人に何かしらの試練を与えるとしたなら、俺に与えられたのはこれなんだろうな。


何回もふたりが傷つくところを見て、巻き戻って、また事故が起きての繰り返し。

今までにないくらい辛かった。



もう、今回で終わりにしたいんだ…。






もう、俺がもたない。




事故が起きる日まであと2日。


2人に仕事に行くなって言っても、納得してくれない。

どうしよう。

そう思ってたとき、彼からの電話があった。



内容は予想もしてないことだった。





やっとだ…















ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
渡辺side


また、あの夢だ。


もう分かったんだよ…。



蓮なんでしょ…。



俺のために出てきてくれてるんでしょ？

もういなくならないでよ。

記憶もあるんだよ…。



もうあんなこと体験したくないから…。


ふっかだけには、記憶が残るようにしたの？
だから、ふっかはあんなに仕事に行くのを止めてきたんでしょ？




お願いだから、もう死なないで…。








ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…､ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…、


頭の上で小さくアラーム音が鳴り響いてる。


相変わらず俺の腕の中ですやすや寝てる蓮を起こさないように、小さな動きでスマホを取った。


アラームを消して少し迷ってから、ふっかに電話をかけてみた。



もし、いままでみたいに覚えてるならあの事故を止められるのは、俺かふっかしかいないから。




もう、お前だけが背負わなくて大丈夫だから…。



隣で寝てる蓮も、1人だけ記憶の残ったふっかも、悲しみにくれるメンバーも見たくないから。



これで…、これで終わりにしてやる…。