三人の声が重なった瞬間 、 部屋の空気がずしりと重くなった 。
逃げ場を塞ぐように 、 土方さんは腕を組み 、 沖田くんはゆらりと立ち上がり 、
近藤さんはなぜか感極まった顔で私の両手を握りしめる 。
土方さんは煙草の灰を落とし 、 鋭い視線を私に向ける 。
その瞳には 、 単なる保護対象を見る以上の 、 熱い独占欲が滲んでいた 。
沖田くんが私の耳元で低く囁く 。
その吐息に肩が震えると 、 彼は満足そうに口角を上げた
土方さんの言葉は「命令」の形をとっていたけれど 、 その耳たぶがわずかに赤い 。
神威を追って来たはずなのに 。
私はいつの間にか 、 江戸で一番恐ろしい「番犬」たちの檻の中に入れられてしまった 。
それから数日 。
私の生活は一変した
朝 、 目を覚ませば近藤さんが「朝食だ!」と私の分まで豪華な御膳を用意し
(ついでに結婚届を隠し持っている) 、
日中の買い出しには 、 土方さんが「パトロールのついでだ」
と言い張り 、 マヨネーズが並ぶ棚を素通りして私の荷物を持ってくれる 。
夜 、 屯所の廊下を歩けば沖田くんが背後から音もなく現れ 、
「逃げようなんて考えちゃダメですよ」と 、 首筋を冷たい指でなぞっていく 。
思わず口から漏れた独語 。
その時 、 空を切り裂くような轟音が響き屯所の屋根が吹き飛んだ 。
土煙の向こう 。
オレンジ色の髪をなびかせ返り血で真っ赤に染まった番傘を肩に担いで 、 神威が立っていた 。
彼の目は 、 笑顔の裏で見たこともないほど冷たく据わっている 。
数年ぶりの再会 ___
神威が傘を向けた先には 、
すでに抜刀した土方さんと 、 バズーカを構えた沖田くん 、
そして刀を正眼に構えた近藤さんがいた 。
土方さんの低い声が響き 、 真選組と神威の 、 私を奪い合う最悪の戦いが幕を開けた 。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!