第8話

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2026/03/14 02:51 更新




神威
 あはは 、 滑稽だね 。 
 泥を啜って生きるお巡りさんが 、 俺の獲物に手を出すなんて 


 神威の笑顔が深まった瞬間 、 空気が凍りついた 。


 彼は地を蹴るなり 、 目にも止まらぬ速さで土方さんの懐に潜り込む 



土方 十四郎
 しまっ…… ! 


 土方さんの刀が空を切る 。

 神威の振るった番傘が 、 強烈な衝撃波を伴って真選組の面々を薙ぎ払った 。

 爆風で土煙が舞い上がる中 、 私の視界が急激に反転する 。




(なまえ)
あなた
 ... かむっ  ...  !! 


神威
 静かにしてて 。 ……ちょっとお仕置きが必要かな 、 
神威
 勝手にこんな所まで来ちゃってさ 


 気づけば 、 私は神威の頑丈な腕に横抱きにされていた 。


 彼の体温は驚くほど高く 、 服からは鉄錆のような血の匂いが漂う 。 

土方 十四郎
 待てェ ! 離せっつってんだろ !! 


 土方さんが瓦礫を跳ね除け 、 執念深く追いすがろうとする 。


 沖田くんのバズーカが火を噴いたが 、 


 神威は私を抱えたまま 、 重力を無視したような動きで屋根を飛び越えた 。

神威
 悪いけど 、 この子は俺を追ってなきゃダメなんだ 。 
神威
 ……  あんたたちみたいな 、 生ぬるい『正義』の隣なんて似合わない 


 神威の低い声が 、 私の耳元で震える 。


 背後で遠ざかる真選組の怒号と 、 追いかけてくる足音 。


 けれど神威の腕の力は 、 骨が軋むほどに強まっていく 。



神威
 ねぇ一つ教えてあげる 、 ……俺から逃げようとしても無駄だよ 。 
神威
 烙陽から江戸まで追ってきた執念 、 今度は俺がたっぷり『お返し』してあげるから 


 彼の琥珀色の瞳には 、 再会の喜びよりも深い昏い独占欲が渦巻いていた 。


 真選組の「檻」から抜け出した先は 、 神威という名のもっと逃げ場のない「奈落」だった 。








 宇宙船の奥深く 、 外の喧騒を遮断した静かな自室 。


 神威は床に座り込む私をひょいと抱き上げると 、 


 あまりにも優しく 、 柔らかなベッドの上へと降ろした 。


神威
 怖かった ?  震えてるよ 


 さっきまでの狂気じみた殺気はどこへやら 、 


 神威はいつもの無邪気な笑顔に戻り 、 私の頬を包み込むように撫でる 。

 その手は驚くほど温かくて 、 でも逃げ出すことなんて許さない強引な力がこもっていた 。


(なまえ)
あなた
 か 、 神威  ...  ! 真選組の人たちは  ... っ 、 ! 
神威
 しっ 、 他の男の話はしないでって言ったよね 


 唇に人差し指を立てて 、 彼は私の言葉を遮った 。


 そのまま 、 ゆっくりと覆いかぶさってくる 。


 重なり合う体温 。 逃げ場をなくすように 、 彼の手が私の髪を指に絡め取った 。 


神威
 烙陽からずっと俺を追ってきたんだよね 。 ……ねぇ、ご褒美をあげる 、 
神威
 あんなお巡りさんたちには 、 一生かかっても見せられないような甘い時間をさ 


 囁きとともに 、 首筋に柔らかな唇が落とされる 。


 噛みつくような激しさはない 。 

 けれど吸い付くような 、 執拗で深い口づけ 。


 鎖骨のくぼみに 、 彼だけの「印」がゆっくりと赤く刻まれていく 。

(なまえ)
あなた
 ...  んっ 、 かむ 、 い っ ...   

神威
 あはは 、 いい声 、 もっと呼んでよ 、 俺の名前だけをさ 


 彼は私の手首を掴むと 、 自分の首に回させた 。

 拒絶を許さない 、 けれど溶けるような愛撫 。


 耳元で囁かれる甘い吐息が 、 真選組と一緒にいた数日間の記憶を強引に塗りつぶしていく 。


神威
 あんたは一生 、 俺を追いかけていればいいんだよ 。 
神威
 ……その代わり 、 俺も一生あんたを逃がさないであげる 


 神威の琥珀色の瞳が 、 とろけるような熱を帯びて私を射抜く 。


 激しく 、 けれど壊すのを惜しむような甘い指先が私の服の隙間から滑り込んだ 。












 江戸の喧騒も正義を掲げる刀の音も 、 もう届かない 。


 私は 、 私が求めた「光」……冷酷で甘美な太陽にどこまでも深く灼き尽くされていった。



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