emside
机に肘を着いて窓を眺める彼の姿は、とても絵になる。
つい、口から溢れる言葉。
彼は急な問いに思わず目を見開く。でも、すぐにふわりと笑って、
そう言ってふわりと目を細める。見れば空に広がるのは雲ひとつない快晴で、目を奪われた。
…少なくとも同意の声が口から溢れてしまう程には。
でも、青空よりも君の方が綺麗、なんて言ったら怒るでしょうか、照れるでしょうか。
それ程彼は儚くて、美しかった。色素が薄い自分が言うのもなんだが、とても消えてしまいそうで。
悲しそうに笑う姿にすら、見とれてしまいそうだ。
彼はいつでも大人びていて、話し掛けずらい。
でも実際話してみるととても聞き上手で優しいのだ。それに加えふわりと笑う彼は、とても綺麗だ。
自分がいつもつるむ彼らとは、違う魅力がある。
いつからか、
彼のような人になりたい。
そう感じていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。