- 3月下旬
マネ:いよいよね
あなた:はい………
マネ:あっちについたら連絡すること,良いわね
あなた:わ,わかりました
社長:あっちでのマネージャーにはもう話つけてあるし,マネージャーからも連絡くるから大丈夫だよ
- 今日は旅立ちの日
社長と大森さんが見送りに来てくれていた
海外ではあっちの社長とマネージャーにお世話になる
だから社長や大森さんとも暫くお別れになった
侑:あなた!!
あなた:!侑くん!!
- あたしの名前を呼んで駆け寄ってきてくれたのは
侑くん,治くん,りんくん,銀島くん
そして湊くん達や北さんなど
先輩後輩が沢山来てくれていた
更に______
あなた:………仁菜………?
仁菜:………久しぶりやね
- バレー部員と一緒に仁菜が来ていた
仁菜とは記憶を失って以来会っていなかった
仁菜:………知らん間に有名になりよって
あなた:え………?
仁菜:ま,あなたは可愛ええから当たり前やなぁ!
- " 私の目に狂いはない! "
そう笑う仁菜の笑顔は
とても懐かしく感じられた
仁菜:私な,あなたに言うてない事があったんよ
あなた:え………?
仁菜:______私な
『 侑の事が好きやったんよ。』
あなた:………!
仁菜:中学の頃から侑が好きで,侑の事を追い掛けて稲荷崎に入ったんよ
- そんなの全然知らなかった
あたしは仁菜の恋の邪魔をしていたの____?
仁菜:でもあなたの事を恨んだ事はなかった
あなた:え………?
仁菜:私の方がずっと好きやったのになぁとは思ったりしたけど,侑があなたを好きになる理由はよくわかったから
" だから侑の好きになった人が
あなたで良かったって心の底から思えたんよ "
仁菜:侑の事は好きやった。でも別れて欲しいとか邪魔をしたいとかも思ったことなくて,二人を1番近くで応援したかった
あなた:え………
仁菜:だって侑の事も好きやったけど______
『 それと同じくらい
あなたの事が好きやったから。』
仁菜:今まで黙っててごめんなぁ
あなた:ううん。あたしも気付けなくてごめんね……!
仁菜:ええねん。それと______
" あん時はほんまにごめんな "
仁菜:あなたの一番の友達やったのに,信じてあげなきゃいけん存在やったのに,あなたの事を裏切ってしもた
- " だからほんまにごめん "
仁菜は侑くんやりんくん達と同じように
辛そうな顔をしながらあたしに頭を下げた
仁菜:あなたさえ良ければ,私はこれからも仲良くしたいんやけど………どうかな?
- あたしは仁菜に抱き着いた
あなた:ッあたしも仁菜とずっと仲良しでいたい……!
仁菜:え………?
あなた:だって仁菜はあたしの" 親友 "だもん……!
- 仁菜はそれを聞くと
あたしの背に腕を回し泣き出してしまった
仁菜:日本( コッチ )に帰ってきたらたくさん遊ぼうなぁ…!
あなた:うん!約束だよ……!
- あたし達はそう笑いながら小指を絡めた
やっと______" 本物の友情 "が築けたんだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!