…また喧嘩してる
しばらくは穏やかだったのに。
満月が輝いてる23:00頃、ジミンは喧嘩をしてる両親から離れたくて家を出た。
肌寒い
暗い
いつもぼーっとしたり家から逃げたい時に来てる公園
ここに来ると辛いことを忘れて、好きなだけぼーっとできるお気に入りの場所
夜は人気もないし、月を眺めることができる
公園の1番奥にあるベンチ
1番空がきれいに見える
座ったはいいけど、今日は天気が悪かったのかベンチが濡れていた。
雨水で濡れてお尻がひんやりする
まぁいいやと思いながら空に浮かぶ月をぼんやりと眺めていた
ジャリ、ジャリ、、
足音?
誰か来たんだろうか
急に声をかけられてびっくりした…
何この人、
見ず知らずの人に僕の事情なんか話すもんじゃない
ただだんまりと下を向いていた
そう言ってスタスタと公園の外に向かって歩いていった
なんなんだろう
ここで待っとけって言われたけどもうすぐ日付変わっちゃうしなぁ…
…今帰っても喧嘩はまだ続いてるだろうしいっか、
あの人たちは僕に興味を向けることなんて今まで無かったのだから。
そう言って渡してきたのは暖かい缶ココア
甘いのなんていつぶりかな
まず見ず知らずの僕にこうやって優しく接してくれるんだ
見た目はちょっと怖いけど、いい人なんだろうな、
隣、いいか?
そう言われて僕は断る理由もなく頷く
ただ何も言わず隣に座るユンギさん
何故か心のモヤモヤが薄れていくような気がした
僕は缶ココア、ユンギさんは缶コーヒー
僕は両手で暖をとりながらぼーっと月を眺めた
しばらくすると、ユンギさんは立ち上がって
ちゃんと帰れよ と一言言ってスタスタと公園を立ち去って行った
不思議な人。
何も話してないのに僕のすべてを見透かされてるような、、そんな感じがした
時刻は1:00前。
そろそろ喧嘩も収まってる頃だろうし、僕も家に向かって歩き出した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!