前の話
一覧へ
次の話

第1話

1
36
2024/04/21 12:36
なによ!!あんたなんか死ねばいいのに!!
お前こそ何様だ!!








…また喧嘩してる





しばらくは穏やかだったのに。














満月が輝いてる23:00頃、ジミンは喧嘩をしてる両親から離れたくて家を出た。



肌寒い



暗い









ジミン
ジミン
慣れてるけど、やっぱり辛いな…









いつもぼーっとしたり家から逃げたい時に来てる公園



ここに来ると辛いことを忘れて、好きなだけぼーっとできるお気に入りの場所




夜は人気もないし、月を眺めることができる





公園の1番奥にあるベンチ


1番空がきれいに見える





座ったはいいけど、今日は天気が悪かったのかベンチが濡れていた。




ジミン
ジミン
最悪、尻濡れちゃったや




雨水で濡れてお尻がひんやりする



まぁいいやと思いながら空に浮かぶ月をぼんやりと眺めていた








ジャリ、ジャリ、、





足音?

誰か来たんだろうか



ユンギ
ユンギ
…こんな時間に何してんの
ジミン
ジミン
ぇ、




急に声をかけられてびっくりした…

何この人、




ユンギ
ユンギ
だから、何してんのさ
こんな時間に1人なんて危ねぇだろ
ジミン
ジミン
……







見ず知らずの人に僕の事情なんか話すもんじゃない

ただだんまりと下を向いていた


ユンギ
ユンギ
…喋る気ないのは分かった
待っとけ





そう言ってスタスタと公園の外に向かって歩いていった




なんなんだろう


ここで待っとけって言われたけどもうすぐ日付変わっちゃうしなぁ…





…今帰っても喧嘩はまだ続いてるだろうしいっか、

あの人たちは僕に興味を向けることなんて今まで無かったのだから。




ユンギ
ユンギ
はい、これ
嫌いだったら飲まなくていい
ジミン
ジミン
ぁ、ありがとう、ございます…





そう言って渡してきたのは暖かい缶ココア


甘いのなんていつぶりかな



まず見ず知らずの僕にこうやって優しく接してくれるんだ


見た目はちょっと怖いけど、いい人なんだろうな、





ユンギ
ユンギ
…で、家出か?
ジミン
ジミン
っ、…
ユンギ
ユンギ
そうか。
ここはお前の安心できる場所か
ジミン
ジミン
は、はい…
あの…、あなたは、?
ユンギ
ユンギ
あぁ、俺か
俺はユンギ。好きなように呼んでくれ
ジミン
ジミン
僕はジミンです、
ユンギ…さんは、どうしてここに、?
ユンギ
ユンギ
…ここは俺がよく来る場所でな
今ジミンが座ってるベンチでよく考え事をするんだ
ぼーっとしたり、昼間に来て昼寝したりとかな

隣、いいか?

そう言われて僕は断る理由もなく頷く



ジミン
ジミン
ユンギ
ユンギ


ただ何も言わず隣に座るユンギさん

何故か心のモヤモヤが薄れていくような気がした




僕は缶ココア、ユンギさんは缶コーヒー


僕は両手で暖をとりながらぼーっと月を眺めた






しばらくすると、ユンギさんは立ち上がって


ユンギ
ユンギ
じゃあ俺は行くよ
またな



ちゃんと帰れよ と一言言ってスタスタと公園を立ち去って行った




不思議な人。

何も話してないのに僕のすべてを見透かされてるような、、そんな感じがした




ジミン
ジミン
…また、会えるかな、





時刻は1:00前。

そろそろ喧嘩も収まってる頃だろうし、僕も家に向かって歩き出した





プリ小説オーディオドラマ