第2話

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2024/04/23 04:47




家に帰ると、部屋の電気は付けっぱなしだしリビングは割れた皿やコップが散乱してた



母親は男の所へ行ったのか家にいないみたいだし、父親は寝室にいるようだった





ジミン
ジミン
…後片付けしよ




割れた皿たちの破片で手を切らないように、そっと袋に入れていく



掃除機もかけたいけど、うるさいって父さんが怒るだろうな



たぶん殴られるだろうし、ホウキで掃くだけにしておこう



ぼんやりとしながら破片を拾っていたら、指先にチクッとした痛みが走った



ジミン
ジミン
ぃたっ、、




指切っちゃった…


血が滲む指を水で洗って適当に絆創膏で保護する



そろそろ眠いし早く寝たい





















30分くらいかけてようやく綺麗になったリビング



家事は明日にしよう


しばらく母さんは帰ってこないだろうし、父さんも明日から出張って言ってたし





なんだかどっと疲れた



はやく風呂に入って寝よう














ジャーーーー…





シャワーを浴びながらぼーっとするのも好きだ




僕の手首の13のタトゥー、背中の月、横腹のnevermind



どれも気に入ってる大事なタトゥー





タトゥーを入れて帰った日は父さんに殴られたし、母さんはヒステリック起こしてたなぁ




他人に認められなくても自分だけでも大切に出来ればそれでいい



リスカは跡が残ったからやめたけれど、どうしても目立つから傷跡が隠れるように13のタトゥーを入れた



自分が産まれた日


ラッキーナンバーみたいな感じで入れたけど、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになる



アルバイトでは服で隠れるし問題ないだろう



もしバレてクビになったら困るし、包帯か大きめの絆創膏は貼るようにしてるし、何とかなるだろうと思いながら体を洗った


シャワーの水みたいに僕の心のモヤモヤも流れてくれたらいいのに、

なんてね。











濡れた髪のまま着替えて自分の部屋に行くと、窓際の小さなサボテンが満月に照らされて小さく光っていた



せめて自分の部屋だけは安心できるようにしたくて、サボテンや月の照明、暗めの壁紙にDIYしたり。



頑張ったかいがあって、この部屋も僕のお気に入りだ




いつもの安定剤と睡眠薬を飲んで、ふかふかのベッドへ横になる



今日はとても疲れた





今日こそはぐっすり眠れるといいな…






目を瞑って深呼吸をする







知らないうちに僕は眠りについていた







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