第37話

フエオニ Ⅲ
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2019/01/22 09:10 更新
私、人を殺したの...?






















気付いたら、鬼が元の人の姿に戻っていた。



















夢と、同じだった。



道の真ん中で、包丁を握っている私。


その包丁には血が付いていて


目の前には血を流した人が倒れている。






















あれは、予知夢だったのかもしれない。





















「ほら。言ったでしょ。」






















「お前は人殺し。」




















「もう、人間じゃないんだ。」



「お前は人殺し。」



「お前は、何の罪も無い人を殺したんだ。」


















「ヒトゴロシ。」





















脳内で、誰かが話しかけているような、
そんな感覚に襲われた。


私は、人殺しになってしまった。


もう、普通の人間にはなれない。


















私は、手に握っていた包丁をするりと落とし
手を震わせた。




どうしよう。


震えが止まらない。


















如月 千歳
何..震えて..んだよ...
千歳はふらりと立ち上がりながらそう言って
私に笑いかけた。
如月 千歳
大..丈夫だ...
千歳はそう言って、私をぎゅっと抱き締める。


その手は震えていた。


千歳は、鬼に腕を殴られてまだ、血を流している。

折れてるかもしれない。


なのに、震えているのに、痛いはずなのに、
私に笑いかけて、抱き締めた。
夏目 彩葉
私、人殺しになっちゃった...
夏目 彩葉
ねぇ、どうしよう。
涙が溢れ出す。


別に、痛い所があるわけじゃない。

苦しいわけでもない。


ただ、不安なんだ。

ただ、悲しいんだ。


私はまだ、生きてて良いのか、不安で、

自分が、人殺しになってしまったことが悲しくて、


どうしようもなかったんだ。
如月 千歳
あぁ。お前は、彩葉は人殺しだ。
如月 千歳
でもな
如月 千歳
犠牲の代わりに、救われた者がいる
ことを忘れるな。
え...?
如月 千歳
お前があいつを殺さなければ、
俺は死んでいた。
如月 千歳
お前が、あいつを殺したから、
俺は生きている。
夏目 彩葉
でも...!
如月 千歳
過去は戻らないんだ。
如月 千歳
けど、未来なら変えられる。
如月 千歳
ここで立ち止まっていたら、前へ
進めない。
過去は戻らない..未来は変えられる...
如月 千歳
大丈夫だ。俺がいる。
如月 千歳
彩葉の分も、背負ってやる。
千歳はそう言って、私を抱き締めていた腕をほどき
笑った。



















私は、その単純な言葉が、いつもより
何倍も、何倍も、輝かしく聞こえた。



















過去は戻らないんだ。






けど、未来は変えられる。




















私が人を殺したことに変わりはない。



けど、それを償うことならいくらだってできる。





















人間はよく言う。


「死んで償う。」


それじゃ、いけないんだ。



それは、ただの救いにしかならない。


私は、ちゃんと償う。


だから、生き残る。


絶対に、このゲームをクリアしてみせる。






















そして、























このデスゲームを終らせてやる。

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