部長はそう言って、楓先輩と俺を呼んだ。
楓先輩がそう言うと、部長は真面目な顔で、
と言った。
俺はそう言って質問したが、部長は答えない。
楓先輩がそう質問すると、部長はゆっくり頷いた。
俺がそう言うと、部長は首をゆっくり横に振った。
部長はそう言って、苦しそうな笑顔を浮かべた。
え...?
俺と楓先輩はただ、苦しくて、悲しくて、
辛くて、その心が表情に浮かんでしまった。
何も、言えなかった。
言葉がないんじゃない。
部長の顔を見て、言えなくなった。
部長は、今にも泣きそうな顔をしていた。
苦しくて、悲しくて、辛い過去が
部長の中にあったのだ。
そして部長はまた、そんな過去を自ら作ろうと
している。
部長は笑った。
俺はそれを見て、何故だか無償に苦しくなった。
部長はそう言って、俺と楓先輩の頭を撫でる。
部長は、武器を持ち、俺らに背を向けて
どこかへ行ってしまった。
俺と楓先輩は、沈黙の時間を少し過ごしてから
不思議そうな顔をしている結先輩と彩葉の所へ
向かった。
彩葉はそう、俺に質問した。
黙っておいた方が、いいかもしれない。
俺はそう言って、無理矢理笑った。
笑うのが、下手なのだろうか。
彩葉が心配そうな顔をした。
俺は、部長に言われたんだ。
「任せたい」って。
だからせめて、彩葉を全力で守る。
今の俺には、それしかできないから。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。