ふっと目を覚ましたとき、私は柔らかいベッドの上にいた。
潮の匂いと、心地よい波の音。
天井には淡い青の照明がゆらめいている。
声を出すと、ドアの向こうから軽やかな足音が近づいた。
滑らかな声。
ジェイド先輩が微笑んでいた。
その顔はいつも通り整っているけれど、どこか“優しすぎる”笑みだった。
その名を聞くと、奥の記憶がかすかに疼いた。
けれど、思い出そうとした瞬間にズキズキと頭が痛んだ。
ジェイド先輩がそっと手を添える。
その言葉に戸惑う私の背後で、
タッタッタッと足音が聞こえてきた。
フロイド先輩が笑顔で飛び込んできた。
その笑みは嬉しそうで、でもどこか危うい。
ジェイド先輩がやんわりとたしなめる。
彼の無邪気な声に安堵したのも束の間、
部屋の奥から静かな拍手が聞こえた。
アズール先輩。
彼の笑顔は完璧に整っていて、
それが逆に――怖かった。
アズール先輩の声は甘く響く。
まるで催眠のように、意識が沈んでいく。
その言葉が胸に突き刺さる。
ジェイド先輩が静かに言った。
アズール先輩が眼鏡を押し上げる。
“管理”という言葉に寒気が走った。
ジェイド先輩が穏やかに微笑む。
――家。
その言葉が、
なぜか懐かしく、そして恐ろしく聞こえた。
――その“保護”が、また新しい”檻”になることを、私はまだ知らない。
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Episode2-2 🐚寮編
スゥ......スゥ......















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。