謎の石化光線で全人類諸共石となり
文明が滅び過ぎゆく事早、3700年
我々はついに、その全ての元凶
石化光線強奪への道の一歩を、踏み出していた
サファイヤの洞窟内
美少女選抜組がいなくなったこの空間では科学器具を
持った千空がそう言いながらラボカーから顔を出す
話を聞いていれば、どうやら今からインカムを作るらしい
日が強く辺りを照りつける時間帯。
丁度、先程敵情視察から戻ってきたところ
すでに千空はよく分からない科学説明を
行なっている最中であったあなたは、
彼らの輪の中に入る事を少し躊躇し
遠巻きからその話を聞いていた
科学説明は全くではないが、さほど興味などないので
ボーっとしながらその話を聞いていれば
やはり彼女の注意は説明に内容ではなく
目に映るものへと移り変わっていくもので
あなたはいつの間にか、楽しそうに説明をする
千空の顔へと興味が移っていた。
こんな状況下でも彼の顔は意地の悪そうな笑顔で、
科学に対する絶大な希望と信頼を持っていると感じられる
千空は本当に科学が大好きなんだろうな
なんて、この世の一般常識のようなものを脳内に
思い浮かべたところで、彼らの説明は終わりを指した。
おありがたい千空のご説明が終わったところで、
洞窟の岩影から歩み近寄れば
ぶっきらぼうに千空から投げつけられたのは
インカムに使う様の銅線のコイル
全く、人使いが粗いですね千空先生は
なんて悪態をつけば 生憎こちとら晩年人手不足だ
と、最もな正論を返されてしまった。
千空の忙しい様で、私の戯言に構い終えたあと
忙しない様子ですぐさま何処かへ行ってしまい
残った私たち2人はせっせとインカムのコイルを
そう会話しながら巻き上げていく
緊迫感というものがなくなり、互いの微笑と
洞窟内に一定のリズムで叩きつけられる水音にも
もう慣れたものだった。
お互い、ただ黙々と作業に没頭し、
彼の吐息すら微かに聞き取れる程の静かさがあった
時間が止まったかと錯覚するような空気の中で
彼が不意に、作業の手を止めたかと思えば
まるで何かを思い出したかのような口調でそう
話しかけてくる
その言葉にあなたは一瞬だけ目を上げた。
どうしたのだろうか、
場を繋ぐ様な計算されたメンタリズムでもなく
本当に話の脈絡のないゲンにしては珍しい話の切り方に
意図せずそう思ってしまう。
それもそのはず、
ゲンは今自身お得意のメンタリズムを使っているわけ
でもなくただ単に彼女との会話を図っただけであった
静寂を破ったゲンの一つの疑問
それに共鳴するかのように、
次に場に残されたのはスイカの言葉
スイカは、そういつも通りの元気な声を
洞窟内に響かせたかと思えば
まさか話を聞いていると思っておらず、驚いている
あなたの膝の上にちょこんと座り
彼女の顔を返事を待つ様に見上げた
一方で、二人の疑問を現在進行形で
同時に注がれているあなたは
少し、口に出す言葉を考えている
どうしたものか
恐らく千空はこの子達に アレ を作る事など
知らせてはいないはず
恐らく言うのは、千空の口からのほうが良いだろう
そう、唸ること数秒。
今彼らの疑問に完璧に答えることは
出来ないと直感的に悟った
彼女は、せめてもの誠意として
その質問に嘘偽りなく答えようと口を開く
質問の答えにしてはあまりにも不鮮明
だが決して、嘘ではないという曖昧な答えに
納得してくれた..否。それ以上聞かずにいてくれた
スイカちゃんは、私の答えを聞くなり膝の上で
頑張ってほしいんだよ!!と
無邪気な笑顔で笑っている
気を、遣ってくれたのかな
そんな思考が一瞬頭をよぎったがそれを理論づけるには
あまりにも私はスイカさんを知らなさ過ぎるし
僅か10年ほどしか息をしていない彼女に対して
あまりにも不粋すぎた













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。