🐈⬛ " 好きなわけじゃない
放課後になり少し経った
みんなが帰った時間帯
早足で階段をおり ,
靴箱へ向かう .
いつものように
私のことを待つ彼
私のわがままがきっかけで始まった
毎日の登下校
手は繋いでくれないが ,
一緒に時間を過ごせるだけでいい
そう思っていた
私が告白をして付き合った私たち
テサン ほどのイケメンなら
今まで数々の女の子に
告白されている筈なのに
なぜ私なのか
なんて少し気になったことを聞いてみた .
彼はこちらを見て
冷たく言う
私の心にはまるで
鋭い氷の槍のようなものが
刺さったような感覚がした .
そこからの帰り道は冷たくて
空気が重くて
いつものようにいかなかった .
家に帰って
連絡先を全部ブロックした
会いに行くのも話しかけるのももうやめる
写真フォルダにも山ほどある
テサン との写真
今見れば笑っているのはいつも私だけ
テサン が楽しそうなものなんて
ほとんどなかった .
忘れよう
そう決心した筈なのに
写真だけはどうも消せなくて
非公開にした
彼が綺麗だと
褒めてくれた長い髪も
バッサリ切って
似合ってると言ってくれた
メイクの系統も
180 ° 変えた
少し地雷にしてみたり
ギャルみたいにしてみたり
いろんなメイクを試した .
鏡にはもう " 彼の私 " は映らなかった
これからは自分のために時間を使って
自分のために生きていこう
そう思った .
来て早々に友達に囲われた
まぁそれもそうか
教室にはいってきた先生もこちらを見て
驚いていた .
なぜ髪を切ったのか
なんてもう隠す必要のない
でも私が テサン と
付き合ってたことを知っていたのは
極一部でむやみに
そのことを言いふらすのもよくない
だから軽く流すくらいにしておいた .
なんてありもしないことを言う友達
テサン は別のクラス
鉢合わせすることなんて滅多にないから
顔を合わせることも
合わせるつもりもない
というかまず髪を切った私にさえ
反応できないだろう .















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。