夜 の 街 は 眠らない 。
ネオン の 明滅 と 遠く の 車 の 音 だけ が 、
私 たち が いる この 狭い 隙間 を 取り 残した よう に
静けさ を 包んで いた 。
頭上 には 空っぽ の 夜 、 そして 雲 が
夜空 を 覆っている だけ だった 。
すると コンビニ に 用 が ある と 言って いた 燈矢
が 帰って くる 。
そう 言って 彼 が 差し 出した のは 、 色とり どり の
手持ち 花火 だった 。
彼 の 言い 草 が あまり にもぶっきらぼう で 、
なのに ちゃんと 私 の 事 を 見 透か して いる みたい で 、
胸 の 奥 が くすぐったく なる 。
燈矢 が 一本 取り 出し 、 火 を 点ける 。
小さな 赤い 火 が じり じり と 走り 夜 に 色 を 灯す 。
差し 出された 火花 に 自分 の 花火 を 近づけよう と すると 、
ふい に 彼 の 指 が 私 の 手 を 包み 込んだ 。
思わず 息 を 呑んで 声 を 漏らす 。
心臓 が 跳ねる のが 自分 でも 分かった
彼 は 笑み を 浮かべ ながら 、 ゆっくり と 顔 を 近づけて くる 。
低くて 、 でも 柔らかい 声 。
耳元 に 落ちる その 音 は 、 胸 の 奥 を ざわつか せる 。
身体 の 芯 に まで 届く ような 熱 が 、
肩先 から 指先 、そして 胸 まで 伝わって くる 。
息 が 絡み 合う 距離 。 視線 を 逸らせ ない 。
自分 の 鼓動 が まる で 彼 の 声 に 合わせて 跳ねて いる みたい だ
火 の 粉 が ぱち ぱち と 散る 。
その 音 に かき 消され そう な 沈黙 の 中 で 、
彼 の 目 だけ は 鋭く 、 私 を 逃がさ ない よう に
射抜いて いた 。
花火 の 炎 は 一瞬 で 短く なり 、 やがて
黒い 煙 を 残して 消えた 。
残された のは 指 を 絡めた まま の 私たち 。
低く 、 かすれた 声 で 彼 が 呼ぶ 。
言って しまって から 、 胸 が 痛い ほど 熱く なる 。
けれど 、 それ 以上 に 彼 の 反応 が 怖かった 。
燈矢 は しばらく 黙り 込んで 、
そして ゆっくり と 口 の 端 を 上げる
一泊 置いて 彼 は 低く 笑った 。
言葉 と 同時 に 、 絡めて いた 指 を 更 に 強く 握り しめられる 。
その力 は 優しい のに 、 縛り 付け られて いる みたいで 、
それが たまらなく 愛し かった 。
夜 は 深まって いく 。
何本 もの 花火 を 燃やし ながら 、
私たち は 取り 留め の ない 話 を した 。
燈矢 は どこか 遠く を 見る よう に 呟いた 。
その 目 が 痛い ほど に 切なく て 、
胸 が 締め 付け られる 。
最後 の 花火 が 燃え 尽き 、 夜 は 再び 暗闇 に 沈む 。
静まり 返った 空間 に 、 彼 の 低い 声 が 落ちた 。
言葉 を 交わす たび 、 心 の 奥 深く まで 沈んで いく 。
甘さ と 痛み が 絡み 合い 、 抜け 出せ ない ほど 濃く なる 。
燈矢 の 手 の 温もり が 、 今夜 ほど 愛しい と 思った こと は ない
𝐍𝐞𝐱𝐭 ▷▶︎▷ 誕生日 おめでとう











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。