第40話

‪☆  36  /  最後 の 花火
222
2026/01/10 14:30 更新













  夜 の 街 は 眠らない 。



  ネオン の 明滅 と 遠く の 車 の 音 だけ が 、

  私 たち が いる この 狭い 隙間 を 取り 残した よう に

  静けさ を 包んで いた 。



   頭上 には 空っぽ の 夜 、 そして 雲 が

  夜空 を 覆っている だけ だった 。





  すると コンビニ に 用 が ある と 言って いた 燈矢

  が 帰って くる 。






荼毘
  買って きた  







  そう 言って 彼 が 差し 出した のは 、 色とり どり の

  手持ち 花火 だった 。






あなた
  これ どう した の 、  
荼毘
  盗んで ねぇ よ  
あなた
  よかった  
荼毘
  お前 好き そう だから  







  彼 の 言い 草 が あまり にもぶっきらぼう で 、

  なのに ちゃんと 私 の 事 を 見 透か して いる みたい で 、

  胸 の 奥 が くすぐったく なる 。







  燈矢 が 一本 取り 出し 、 火 を 点ける 。


  小さな 赤い 火 が じり じり と 走り 夜 に 色 を 灯す 。






荼毘
  ほら  







  差し 出された 火花 に 自分 の 花火 を 近づけよう と すると 、

  ふい に 彼 の 指 が 私 の 手 を 包み 込んだ 。






あなた
  ねぇ 近い  







  思わず 息 を 呑んで 声 を 漏らす 。

  心臓 が 跳ねる のが 自分 でも 分かった




  彼 は 笑み を 浮かべ ながら 、 ゆっくり と 顔 を 近づけて くる 。






荼毘
  近く なきゃ 意味 ねぇ だろ  







  低くて 、 でも 柔らかい 声 。


  耳元 に 落ちる その 音 は 、 胸 の 奥 を ざわつか せる 。






荼毘
  あなたの下の名前 の 鼓動 も 温度 も 全部  
  知りたい ん だよ







  身体 の 芯 に まで 届く ような 熱 が 、

  肩先 から 指先 、そして 胸 まで 伝わって くる 。







あなた
  なんで そんな に 私 を  
  知りたい の ?
荼毘
  好き だから だろ  







  息 が 絡み 合う 距離 。 視線 を 逸らせ ない 。



  自分 の 鼓動 が まる で 彼 の 声 に 合わせて 跳ねて いる みたい だ






荼毘
  だから お前 の 全て を 感じ
  たい 。 怒り も 、 悲しみ  
  も 、 甘さ も 、 全部な







  火 の 粉 が ぱち ぱち と 散る 。




  その 音 に かき 消され そう な 沈黙 の 中 で 、

  彼 の 目 だけ は 鋭く 、 私 を 逃がさ ない よう に

  射抜いて いた 。






  花火 の 炎 は 一瞬 で 短く なり 、 やがて

  黒い 煙 を 残して 消えた 。



  残された のは 指 を 絡めた まま の 私たち 。






荼毘
  なぁ  







  低く 、 かすれた 声 で 彼 が 呼ぶ 。






荼毘
  なんで お前 は 俺 の 傍  
  に いて くれん の ?
あなた
  好き だから だろ 、  
荼毘
  真似 すんな よ   
あなた
  でも ホント だよ  







  言って しまって から 、 胸 が 痛い ほど 熱く なる 。


  けれど 、 それ 以上 に 彼 の 反応 が 怖かった 。






  燈矢 は しばらく 黙り 込んで 、

  そして ゆっくり と 口 の 端 を 上げる






荼毘
  馬鹿 だな 。 俺 なんか  
  選んで よ ォ .. 
あなた
  馬鹿 でも いい 、
  私 は 燈矢 が いいの  







  一泊 置いて 彼 は 低く 笑った 。






荼毘
  ...... やっぱ お前 、
  どうしよう も ねぇ わ  







  言葉 と 同時 に 、 絡めて いた 指 を 更 に 強く 握り しめられる 。


  その力 は 優しい のに 、 縛り 付け られて いる みたいで 、

  それが たまらなく 愛し かった 。






  夜 は 深まって いく 。



  何本 もの 花火 を 燃やし ながら 、

  私たち は 取り 留め の ない 話 を した 。





荼毘
  ガキ の 頃 さ 、 こういう  
  の やって みた かった ん
  だよ な 俺
あなた
  じゃあ 初めて ?  
荼毘
  やり 相手 も いなかった しな  
あなた
  じゃあ 今日 夢 叶え  
  られ たね 。
荼毘
  夢 、 な ...  







  燈矢 は どこか 遠く を 見る よう に 呟いた 。


  その 目 が 痛い ほど に 切なく て 、

  胸 が 締め 付け られる 。






あなた
  付き 合って 1日 で 終わり
  って 世間 も びっくり なん  
  じゃない ? 
荼毘
  終わり なんて ねぇ よ 。  
  死ん だら この 関係 は
  永遠 に 続く だろ
あなた
  この間 まで 永遠 なんて
  ない とか 言ってた のに ね  
荼毘
  うるせぇ  







  最後 の 花火 が 燃え 尽き 、 夜 は 再び 暗闇 に 沈む 。



  静まり 返った 空間 に 、 彼 の 低い 声 が 落ちた 。






荼毘
  もう 後戻り できない から な  
あなた
  うん  
荼毘
  お前 が 選んだ のは 俺だ 。  
  だから 最期 まで 付き 合え
あなた
  勿論  







  言葉 を 交わす たび 、 心 の 奥 深く まで 沈んで いく 。



  甘さ と 痛み が 絡み 合い 、 抜け 出せ ない ほど 濃く なる 。






  燈矢 の 手 の 温もり が 、 今夜 ほど 愛しい と 思った こと は ない













 𝐍𝐞𝐱𝐭 ▷▶︎▷ 誕生日 おめでとう

プリ小説オーディオドラマ