第10話

自問自答
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2024/05/25 08:26




翌朝、けたたましい目覚まし音で目が覚める。
雨音に気づきカーテンを開ければ目に入るのは一面の曇天。
私の心模様を映し出してでもいるのかと言ってやりたいほど、今の気分は最悪だ。



(なまえ)
あなた
、、、死んではいなかったけどある意味間に合わなかった。
もし、宿儺の指を悠仁が全部食べることができたその時は、私g






間に合わなかった贖罪になることはないかと考えながら一人、呟いていればピロンと音がなる。
メロディーからして予想はついていたが発生源はスマホだった。

こんな時期に一体誰からとスマホを手に取れば、連絡があったのはある意味当然で、けれど今一番目にしたくなかったオカルト研究部のグループからだった








(なまえ)
あなた
、、佐々木先輩からだ
















井口先輩の意識が戻ってない ○△病院に入院中、、か












湧き上がる様々な感情は一瞬返信を止めさせるけれど、それを押し殺し淡々と文字を打ち込んでいく。





けれど文字を打ち込んで消し、悩んだ後にまた打ち込んで消してを繰り返す。





(なまえ)
あなた
なんだこいつって感じだよ。




「佐々木先輩は大丈夫ですか?井口先輩の容態は?」
「え、一体何があったんですか?」
「悠仁は大丈夫だったんですか?」



打ち込んだ文章を眺めながら自嘲するように笑い言葉を重ねる。
(なまえ)
あなた
白々しいにもほどがある。
全部知ってたくせに


彼らが昨日の夜開けたアレの危険性も、正体はわからなかったもののあれがどれほどの被害をもたらすのかも、2人と悠仁の容態も
私は全部、全部、全部、、知っていたのに。
その上でこの内容を書くなんて白々しいにもほどがある。






(なまえ)
あなた
もっと私が早く学校に着いていたらとか昨日登校してればとかじゃないんだよ!!
危険性が分かってたのに!!
(なまえ)
あなた
、、、当たり障りなく。




そう呟き、それを意識しながら打ち込んだ文章は
「明日お見舞いに行きますね」
というなんとも配慮や思いやりにかけた文章だった。
けれど今の私には他の文を打ち込めるわけもなく、私はその文章が、グループラインの一文へと加わるのをただ見ているのみ。












































(なまえ)
あなた
、、本当に最低な人間だな

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