第28話

少年院1〜高専side〜 
1,478
2023/06/23 10:59
伊地知 潔高
我々の窓が受胎を確認したのはちょうど3時間前。避難誘導9割の時点で現場の判断により施設を閉鎖
伊地知 潔高
半径500メートル内の住民の避難が完了しています





周りには本当に人の気配がなく聞こえるのは風の音と自分達の呼吸音それと伊地知さんの説明している声だけと言っても過言ではないほどだ
初めての任務に緊張感が高まる






虎杖悠仁
伊地知さん窓ってなんすか
伊地知 潔高
窓というのは呪いを視認できる高専関係者のことです、術師ではないですが
虎杖悠仁
なるほど


伊地知さんの説明の中で出てくる単語には自分がまだ知らない単語があること
それを当然のごとく頷く釘崎と伏黒が視界に入り自分に知識が足りていないことを実感させられる



伊地知 潔高
続けますよ、今施設内に5名の一般者が受胎とともに取り残されています
受胎が変体を遂げるタイプの場合特急に相当する呪霊になると予想されます
伏黒恵
(特級)
釘崎野薔薇
(特級)



特級、、?
伏黒も釘崎もわかっているようだ
五条先生が5級だとか言っていたことは聞いたことあるけれど
それと似たようなものなんだろうか

虎杖悠仁
なぁ俺いまいち特級とかいまいち分かってないんだけど
伊地知 潔高
では、バカでも分かるように説明しましょう
伊地知 潔高
まずは4級木製バットで余裕です
次に3級拳銃があればまぁ安心
2級散弾銃でギリ
1級(準1級)戦車でも心細い
そして特級はクラスター弾での絨毯爆撃でトントンですかね




ちょ、え!?
やばくねぇか!?
クラスター弾が何かはわからないけどかなりやばそうな名前だし
戦車よりも強い攻撃でトントンってかなり強いんじゃ、、!?
てかそんなのと俺たち戦うのか!?



虎杖悠仁
ヤッベェじゃん!
伏黒恵
本来は呪霊と同等級の術師が任務にあたるんだ。今日の場合だと五条先生とかな
虎杖悠仁
そっか
で、その五条先生は?
伏黒恵
出張中
虎杖悠仁
へ?



辺りを見渡しても見つからないためそう聞けば
予想と反した言葉が返ってきた
伏黒恵
そもそも高専でぶらぶらしてていい人材じゃないんだよ
伊地知 潔高
残念ながらこの業界は人手不足
伊地知 潔高
手に余る任務を請け負うことは多々あります
ただ今回は緊急事態で非常事態です
絶対に戦わないこと、万が一特級と出くわした時は逃げるか死ぬかです
伏黒恵
、、、
釘崎野薔薇
虎杖悠仁


「死」
今までは曖昧で遠いはずだった言葉が一気に現実味を持って襲ってくる
言葉の重みを理解して拳を握りしめる



伊地知 潔高
自分の恐怖には素直に従ってください
君たちの任務はあくまでも生存者の確認と救出であることを忘れずに
モブ
あの!あの正は!
モブ
正はッッッ!息子の正は無事なんですか!?
虎杖悠仁
!、、、

突如聞こえてきた女の人の声に振り向こうとすれば
伊地知さんが自分たちから隠すように立ったせいで声の主の姿は見えなくなった


伊地知 潔高
面会に来ていた保護者です
伊地知 潔高
お引き取りください
何者かによって施設内に毒物を撒かれた可能性があります
現時点ではこれ以上のことは申し上げられません
モブ
!そんな、、、うぅどうしってッッ
どうしてこんなことに!
虎杖悠仁
伏黒、釘崎助けるぞ!
釘崎野薔薇
当然
伏黒恵
、、、
建物の中に取り残された家族の言葉を聞き
今までより決意は大きくなりそう宣言すれば
さも当たり前というように言葉を返す釘崎を頼もしく思う

伊地知 潔高
お気をつけて
帳を降ろします
『闇より出て闇より黒くその汚れを禊ぎ祓え』


伊地知さんがそう言った途端昼間だったはずの風景が
どんどん暗くなり夜になっていく
虎杖悠仁
お?夜になってく!
伏黒恵
帳だ今回は住宅地がちかいからな
外から俺たちを隠す結界だ
虎杖悠仁
すげーな!
釘崎野薔薇
無知め


初めての任務が特級相当のものだというのには緊張するし
責任感やプレッシャーもある。
けれど釘崎も伏黒もいる。きっと倒せるはずだ

初めての体験に思わず感激して声を上げ釘崎から言い放たれた
言葉に戦闘慣れていることを感じ思わずそんなことを思う






伏黒恵
玉犬
呪いが近づいたらこいつが教えてくれる
虎杖悠仁
そっかそっか頼りにしてっからな
伏黒恵
行くぞ!




伏黒のだした玉犬を撫でたのち
気を引き締めて建物の中へと足をすすめた。
途端衝撃的な光景が目に入る


伏黒恵
!待て
虎杖悠仁
うおっ
釘崎野薔薇
げっ
何これ!
虎杖悠仁
どうなってるんだ?
二階建ての寮の中だったよな
釘崎野薔薇
お、お、落ち着け!
メゾネットよ!
伏黒恵
扉は!
突如雰囲気の変わった場所に出て困惑し釘崎とともに慌てれば
はっとしたように鋭く放たれた言葉に僅かに落ち着きを取り戻し後ろを振り返る



釘崎野薔薇
え?
虎杖悠仁
と、扉がなくなってる!
釘崎野薔薇
なんで!?今私たちここから入ってきたよね!
虎杖悠仁
うんうん!
伏黒恵
大丈夫だ。こいつが出入り口の匂いを覚えている
釘崎野薔薇
あらまぁ!
虎杖悠仁
あらまぁ!
釘崎野薔薇
ジャーキー!ありったけのジャーキーを持ってきて!
伏黒恵
緊張感!
虎杖悠仁
やっぱり頼りになるな!伏黒は
伏黒恵
虎杖悠仁
お前のおかげで人が助かるし俺も助けられる


自分では分からなかったことにいち早く気づいた伏黒は
やっぱりすげぇ。
俺らが慌ててただけの時もすぐに状況を整理して
誰よりも冷静に状況を把握してた。
それに先ほどまであった緊張感も良い意味で薄まった
本当に伏黒のおかげだ


伏黒恵
、、、、、進もう

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