周りには本当に人の気配がなく聞こえるのは風の音と自分達の呼吸音それと伊地知さんの説明している声だけと言っても過言ではないほどだ
初めての任務に緊張感が高まる
伊地知さんの説明の中で出てくる単語には自分がまだ知らない単語があること
それを当然のごとく頷く釘崎と伏黒が視界に入り自分に知識が足りていないことを実感させられる
特級、、?
伏黒も釘崎もわかっているようだ
五条先生が5級だとか言っていたことは聞いたことあるけれど
それと似たようなものなんだろうか
ちょ、え!?
やばくねぇか!?
クラスター弾が何かはわからないけどかなりやばそうな名前だし
戦車よりも強い攻撃でトントンってかなり強いんじゃ、、!?
てかそんなのと俺たち戦うのか!?
辺りを見渡しても見つからないためそう聞けば
予想と反した言葉が返ってきた
「死」
今までは曖昧で遠いはずだった言葉が一気に現実味を持って襲ってくる
言葉の重みを理解して拳を握りしめる
突如聞こえてきた女の人の声に振り向こうとすれば
伊地知さんが自分たちから隠すように立ったせいで声の主の姿は見えなくなった
建物の中に取り残された家族の言葉を聞き
今までより決意は大きくなりそう宣言すれば
さも当たり前というように言葉を返す釘崎を頼もしく思う
伊地知さんがそう言った途端昼間だったはずの風景が
どんどん暗くなり夜になっていく
初めての任務が特級相当のものだというのには緊張するし
責任感やプレッシャーもある。
けれど釘崎も伏黒もいる。きっと倒せるはずだ
初めての体験に思わず感激して声を上げ釘崎から言い放たれた
言葉に戦闘慣れていることを感じ思わずそんなことを思う
伏黒のだした玉犬を撫でたのち
気を引き締めて建物の中へと足をすすめた。
途端衝撃的な光景が目に入る
突如雰囲気の変わった場所に出て困惑し釘崎とともに慌てれば
はっとしたように鋭く放たれた言葉に僅かに落ち着きを取り戻し後ろを振り返る
自分では分からなかったことにいち早く気づいた伏黒は
やっぱりすげぇ。
俺らが慌ててただけの時もすぐに状況を整理して
誰よりも冷静に状況を把握してた。
それに先ほどまであった緊張感も良い意味で薄まった
本当に伏黒のおかげだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。