「っ~~~~~~~!!!!!」
痛い。いや、痛いなんて言葉では表せない程の強烈な感覚が全身に広がる。それに立っていられず膝から崩れ落ちる。
「あは。…………あはははははははははははっ!!」
悠音が狂ったように笑い出す。持っているカッターナイフは私の血で悠音の手まで紅く染まっている。
「私の事友達だと思ってた??ざぁんねーん♡」
紅潮した頬に手をあて嘲笑うように馬鹿にしたような話し方をする。
「…………わよ。」
「は?何??」
「あなたの事………1回も、お、友達だと……思った事、…………ないわよ。残念なのは………勘違いしてた……そっちね。私知ってるもの。」
「はぁ……????うっさいわね。黙ってし………。」
「遊馬君の事、……………好きなんでしょ…?」
は?と声にならない空気のような言葉が悠音の口から漏れる。にっこりと笑って言う。
「ざぁんねん♡遊馬君は私のものなの♡あんたみたいなメンヘラクズ女になんか渡さないわ。」
その瞬間、一気に顔が怒りに染る。
「ごちゃごちゃうるせぇよっ!!死ねっ!!!」
カッターナイフを振り上げる悠音。死ぬのは…。
「「お前だよ。」」
ザシュ!っという音と共に真っ赤な血飛沫が上がった。
嫌な予感がしたんだ。だからいつもより早く家を出た。
「桂華さんっ……………。」
だめだ。桂華さん。お願いだ。何もないって言ってくれ。何も………。
「死ねっ!!!」
「っ……。」
急いで向かった先に居たのは腹から血を流している桂華さんとカッターナイフを振り上げている誘宵さんだった。俺は考えるよりも先に手袋をしてカッターナイフを取り出す。俺に気づいた桂華さんは安心したのか笑みが零れる。その顔を見てなおさら殺意が湧いた。桂華さんにどんな顔させてたんだ。こいつ。許せない。死ね???死ぬのは………。
「「お前だよ。」」
なんの躊躇いもなく誘宵の首にカッターナイフを持って行って横にひいた。血飛沫を上げている誘宵を手でおしのけ手袋を外し桂華さんに駆け寄る。
「救急車呼びます!」
「遊馬………君。」
桂華さんは傷口をハンカチでおさえながら微笑む。その顔には脂汗が滲んでいる。
「よかった……来てくれて…。」
「来ますよ!そんなことより喋らないでください。血が………っ。」
「大丈夫よ。……視界が安定しないけど、。」
「ぜっぜん大丈夫じゃないじゃないですかっ!!」
こんなときに悠長に喋っている桂華さんを見て肝が据わっていると思う。
「ねぇ………キスして。」
「えっ。………………。…………………………。」
血で染った手で俺の頬を撫でる。小刻みに左右に揺れる瞳。ポタっと俺の手に桂華さんの汗が落ちる。俺はたまらずその震えている唇に自身の唇を落とした。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。