第9話

第七室
26
2024/05/18 02:00
クックックッ、これこそが芸術なのですよ!

人が苦しい事は気にしない!

ただただ心配のフリをして過ごすだけなのです!

さぁ?貴方にはこの謎が解けますかね?

コキラさんの言う読者の皆さん?





もう私は昔の事を憶えていません。 

あなた達にはあの本の意味が分かりましたでしょうか。

恥ずかしながらに私は一つも分からないのですよ。

全く、本当の推理小説家と云う者は上手く証拠を隠しますね。

まるで殺人犯のようです。

おっと、例え方が悪かったですね。

ですがあの小説は何処か不思議ですね。

あの小説家が書くものは何時も分かりやすいものなのですが…、

この小説では証拠すらも集まりません。

やはり作家の書く“主張”と言うのは分かりませんね。
この乃歌河さん、愛人を亡くしたそうですよ。

哀しい話です。どうも殺害されたとか。

そしてこの前作者さんが亡くなられた死因というのが、

自分の首を締めたそうなのですよ。

自害の方法、他にも無かったのでしょうか……。

おやおや、あなた達にも少しこの小説の意味が分かってきたのでは?

分からない人にも、直に分かるでしょう。

この小説の、厭、

人物の“主張”が。

では、また次回作でお会いしましょう。


もうそろそろ分かってきたかな!

考察かもんっ!

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