一年前…
太陽みたいな笑顔だった
中学生にもなって…
こんなに元気な子がいるんだなと思った
ここでならうまくやっていけると思った
受験に没頭し、周りから嫌味を言われてもずっと
この学校に受かるために…そして……
お母さんに認められるように…
けど…結局認められなかった
その前から私は…
信用を失っていた
だけど…
この子なら…
私をこの監獄から…
救ってくれるのかもしれない、
そう思った
なのに…
私はここなを信じきれなかった
信じきれなくて…つい……
口をすべられて…怒られてしまった
けど、私はそんなこと気にしないふりをしていた
いや、
気づかなかった
怒っていることがあまりわからなくて、
私は…
壊れかけていた
だんだんと…
人の心が読み取れるようになってきて…
反対に自分の感情がわからないようになってきて…
だからなのか…
その感情がめずらしいものだと
楽しいものだと思ってしまうようになった
自分では味わえなくなっていたから…
そんなことは知ってるよ
だって、みんな…
わかりやすすぎるから
今もそう…
自分の気持ちがどんな感じかとか、
全くわかんないし、
友達の気持ちをめずらしいと思ってしまう
なんでだろう……
みんな、…みんな……
私の気持ちはわからないよね……
親もそう…
結局いつも私は…
一人ぼっち
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!