宿の部屋の明かりは、ほのかに灯っていた。
窓の外では、港町の灯りが揺れている。
でも、声はそこで止まる。
――言ったら、全部が変わってしまう気がして。
未來は布団に横たわり、静かにボクを見ている。
その視線に、ボクは胸がぎゅっと締めつけられる。
声に出せなくても、未來は分かってくれている。
だから、安心でもあり、苦しくもある。
>心の奥の影。
ボクは小さく息を吐く。
心の奥ではまだ、影が揺れている。
――しにたい。でも、勇気はない。
だから「また今度」と、そっと呟く。
未來の寝顔を見つめながら、ボクは手を握る。
その温もりが、今は何よりの支えになる。
波の音が遠くで響き、扇風機の音が部屋を満たす。
夏の夜は、静かに二人を包み込んでいた。
To be continued……












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。