ねぇ、お兄ちゃん
僕は気づいてしまったかもしれません。
お兄ちゃんがいなくなってから一度も顔を出さなかったのは、
お兄ちゃんは49日目を待たずにそのまま橋を渡ったからなんじゃないですか?
もちろん僕にはあなたが見えませんから今どこにいるかなんて当然分かりません。
でも、この前調べて知ったんです。
“49日を待たずに行ってしまう子がいる”と。
あなたは早く生まれ変わりたかったのですか?
それともあなたは抜けてるところがあるのでうっかり渡ってしまって戻れなくなったとか?
あるいはもう僕たちに見えないということに気づかなかったのでしょうか?
もし気づいていなかったのなら僕はすごく悲しい。
きっとあなたは自由に動けるようになって嬉しくて僕たちに駆け寄っていたのかもしれない。
でも、誰もあなたに気付けない。
あなたはその様子を見ても気づかずに何度も駆け寄っていたのでは?
もちろんこれはあくまで僕の予想。
本当はどうだったのかやあなたの行方なんて予想に過ぎません。
でも、もし僕の予想通りだったらすごく申し訳ない。
考えるだけで切なくなって涙が止まらなくなる。
僕はあなたと別れて、二度と会えなくなってとても悲しい。
2ヵ月以上経った今でも思い出すと涙が出る。
会えないのは悲しいけど、向こうで美味しいものいっぱい食べて、いっぱい走って、おじいちゃんには会えたか分からないけど可愛がってもらい、他の子といっぱい遊んで…。
そんな生活を送れていることを願います。
次会えるかは分からないけど、またどこかで会えたらいいな。
それがお互い同じ生き物だったとしても違う生き物だったとしても、あるいは魂だけだったとしても。
猫山あおい












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。