少しして彼は泣き止んだ。
その後看護師さんが来てくれて、先生を呼んでくれた。
眠っていただけで異常は無いらしい。
もう一度お礼を言い、診察室を出ようとした時、
先生の言葉に肯定も否定もせず聞いた。
異能で治したとか言ってたから、てっきりマンションとかビルの屋上から…とかかと思ってたのに。
もうお礼を言うは面倒なのでお辞儀だけして診察室を出た。
出ると早瀬さんが待っていた。
また知らない人…
私は何か得意なことでもあったんだろうか
それなら、何か知ってるかも
私は一度私服に着替えるために病室へと戻った。
着替えてから引き出しを出すと、一つの封筒が寂しそうに其処にあった。
中に入っていた紙を開く。
《如何してこうなって仕舞ったんだろう。
何をやっても上手く行かない。
だから、誰も私を…。
僕は上手く生きられない。
後悔ばかりで何も成長しない。
付けられた傷は癒えないけれど、私も同類。
御免なさい。
代わりに貴方へ最大の手助けを。》
丁寧な字…。私宛のようだけれど、意味深な言葉が多い。ん? 僕? 私、とも書いてあるけど。早瀬さんは私と言っても不思議がらなかった。普段は使っていなかった? 嫌、でも…ーー!
頭を抱えつつ、深呼吸をし、息を整えた。
封筒の中を良く見ると中に青系の色で作られたミサンガが入っていた。
私はミサンガを腕に付けて、病室を出た。
私は少し速くなったようなペースの早瀬さんの後ろを付いていった。
後書き
作者のchiyuです!
無事担任となったあなたの下の名前。
ハピネスの事についても調べようとしますが…
あなたの下の名前に迫り来る恐怖とは!?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。