第5話

5.退院
3
2024/07/06 09:28
少しして彼は泣き止んだ。
早瀬奏斗
有難う御座います。泣いちゃって済みません
あなた
ううん。…ナースコール押してくれない? 私一応目覚ましたしさ
早瀬奏斗
、はい!
その後看護師さんが来てくれて、先生を呼んでくれた。
眠っていただけで異常は無いらしい。
あなた
有難う御座いました。
先生
いえ、御大事に
あなた
…質問宜しいですか?
先生
ええ
あなた
私の記憶は、戻るのでしょうか
先生
分かりません。明日戻るかも知れないし、もう一生戻らないかも知れません
あなた
そうですか…
もう一度お礼を言い、診察室を出ようとした時、
先生
待ってください
あなた
? はい
先生
貴方は…察しておられるかと思いますが、自殺です
あなた
はい
先生
無理に記憶を取り戻そうとはしないで下さいね
あなた
私はどうやって自殺しようとしたんでしょうか
先生の言葉に肯定も否定もせず聞いた。
先生
首吊りです。遺書が引き出しに入っています
異能で治したとか言ってたから、てっきりマンションとかビルの屋上から…とかかと思ってたのに。
あなた
分かりました
もうお礼を言うは面倒なのでお辞儀だけして診察室を出た。
早瀬奏斗
どうでしたか?
出ると早瀬さんが待っていた。
あなた
異常なしだって。明日から仕事に戻れると思う
早瀬奏斗
………
あなた
矢っ張り、原因は其処そこなんだね
早瀬奏斗
…はい
あなた
なら対策を考えないとね。君はから何か聞いてる?
早瀬奏斗
残念ながら…あ、でも西条さんなら!
また知らない人…
あなた
さいじょうさん?
早瀬奏斗
はい、僕の先輩で、あなたの下の名前さんの弟子です!
あなた
弟子?
私は何か得意なことでもあったんだろうか
早瀬奏斗
12歳の時から友人だったとか!
あなた
へぇ…
それなら、何か知ってるかも
早瀬奏斗
紹介します!
あなた
有難う
私は一度私服に着替えるために病室へと戻った。
着替えてから引き出しを出すと、一つの封筒が寂しそうに其処にあった。
中に入っていた紙を開く。
《如何してこうなって仕舞ったんだろう。
 何をやっても上手く行かない。
 だから、誰もを…。
 は上手く生きられない。
 後悔ばかりで何も成長しない。
 付けられた傷は癒えないけれど、も同類。
 御免なさい。
 代わりに貴方へ最大の手助けを。》
あなた
何これ
丁寧な字…。私宛のようだけれど、意味深な言葉が多い。ん? 僕? 私、とも書いてあるけど。早瀬さんは私と言っても不思議がらなかった。普段は使っていなかった? 嫌、でも…ーー!
頭を抱えつつ、深呼吸をし、息を整えた。
封筒の中を良く見ると中に青系の色で作られたミサンガが入っていた。
私はミサンガを腕に付けて、病室を出た。
あなた
お待たせ
早瀬奏斗
っ!
あなた
如何したの?
早瀬奏斗
…いえ、行きましょう
あなた
そう?
私は少し速くなったようなペースの早瀬さんの後ろを付いていった。
後書き

作者のchiyuです!
無事担任となったあなたの下の名前。
ハピネスの事についても調べようとしますが…
あなたの下の名前に迫り来る恐怖とは!?

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