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……ほら,やっぱり
“ や,やっほ… “ と軽く手を振れば,相手は更にガチガチになった
…状況を整理しよう
私はとりあえず昨日の夜に松野を殴って東卍に無理矢理入った,そこから場地圭介と話してから,松野に色々探りを入れられ,なんとか上手く逃れてここにいる
正直,その間に花垣が入るとは思えないから,彼は元々この組に入っていたのか?
いや,でも彼は特攻服を着てないから,私と同じで新規だろう
でも,どういう目的で…?
稀咲は大丈夫だろうか…
すると,私の携帯がポケットで揺れた
メールが来たようだ,噂をすれば稀咲から
“ おもしれぇモン見せてやるよ “
おもしろいモン…なんだろ…
いつも稀咲は私に急になにかを見せてくることはない,何をするのかを伝えてくる
それだけ慎重ってことなんだろうけど
どうやら始まったようだ,参番隊隊長…?
あぁ,そういやこの前林田春樹が抗争で長内って奴を刺して自首したってのを聞いたな
けど,この中から隊長が選ばれるとしたら誰だ…?
周りを見渡しても,全員喧嘩強そうだし,馬鹿そう
個人的にはここで私がなれば絶対うまくいけると思うんだけどな〜
周りが騒ついた
そして,1人強そうな男が先頭に出てきて,みんな道を開けた
ザッザッザッ…
私は,ソイツに続いて出てきた男に目を丸くした
稀咲は,一度私の方に視線を向けたが,すぐに無言で前を向き直し,進んで行った
私と知り合いであることを悟られないようにだろう
けど,どうして今ここで彼が入るのだろうか,
いや,
入れた理由はなんだ
佐野万次郎の懐に入る為に一体何をした……?
私は彼のように頭の回転も早くないから,そこまで分かることはなかったが,
おそらく,彼にしかできないことなのだろう
一連の流れが終わった後,稀咲は最後に佐野万次郎に向けて頭を下げ,こう言った
稀咲が人に頭を下げているところを見たことはなかったから,少し呆気に取られたけど,まぁ演技だからな,と冷静に戻った
彼は喧嘩が強いかと言ったらそこまでだし,体格が良いわけでもない
だから私の周りの奴等は,驚いてるんだろうなきっと
タッタッタッタッ
ブォォォン”!!!
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…そこには花垣が稀咲を殴っている姿があって
それを食らった稀咲は,驚いたように下に座り込んだ
“ 俺の,大切なモンを奪った奴だ “
稀咲のあの言葉を思い出した
あの時は,稀咲が勝手に花垣に執着していると思っていたが,
これを見ると,花垣も稀咲に執着しているように見える
お互いがお互いに対して,なにかを思っているってことだろうか
2人の共通して大切なものはなんだ…?
そう考えてるうちには,花垣は他の隊の隊長さん達に囲まれていて,
息を切らしてそう言う彼は,どこかすごく焦っているように見えて,なんだか不自然だ
どうして稀咲を入れるのをそこまで食い止めるのだろう
ズカッズカッズカッ
花垣が息を切らして必死に説明していると,そこに1人が空気を読まず割り切ってきた
場地…圭介…
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謹慎中…?だからあの時いなかったのか…?
でも,なんで……
ドコッ‼︎‼︎
すると,今度は場地圭介が花垣を殴った
……え?なにして
ドゴッドゴッドゴッ
その後も数発場地圭介は殴り続け,二番隊隊長…確か三ツ谷隆…に止められて,やっと止まった
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…なに言って
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ズカッズカッズカッ
…私は,その一連をただ見ていることしか出来なかった
てか,芭流覇羅って稀咲と半間が作ったチームだよね
…じゃぁ,場地のことを稀咲は騙してた?
それで彼は心変わりをしたんだろうか,うん,全然有り得る
………………けど,
タッタッタッタッ
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場地の跡を追った,人の目も気にせず,我武者羅に
“ ………俺の妹だろ “
…あの目は,あの余裕そうな顔は,人に騙されるように到底見えない
いや,どこかで彼は,彼だけは違う人間なのだと願っていたのかもしれない
それを信じたのか,それとも絶対違うと思ったのかはわからないけど
気づけば,必死に彼を追っていた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。