叶side
照りつける太陽が空に浮かんでいる快晴の舞台当日___
俺は海星にもらった舞台のチケットを持って歩きながら会場へと向かっていた。
「……暑い、よりによって今日かよ。」
俺はだるそうに歩きながらぼそっと呟いた。
そんな中、こんな暑い日に俺の横を誰かがカードを落として走り去っていった。
俺はそのカードを拾い、心の中で読み上げた。
如月 空良さん、19歳、俳優をやっているらしい。……今回、俺が見てる舞台にも出るのか。
そこまで呼んだところで流石に全部見るのは辞めておこうとそれをポケットにしまう。舞台見に行くついでに届けに行こう。きっとスタッフに渡せばいいはずだ。
そんな事を考えていると会場に着く。
会場のお客さんは2000人を超えるほどの人数が居て、男女の比率は半々くらいで女性ファンは推しなんかが見れると嬉しそうにしていた。
俺は会場に入る前に真っ先に何か事件かなんかがあったのかバタバタしているスタッフさんの元へと向かう。
スタッフは助かったみたいな顔をした後、他のスタッフに何かを耳打ちされていた。
俺はそれを不思議そうに見つめる。
動揺して突っ立っている俺を置いてスタッフさんは忙しそうにその場を去っていく。……それはいいのだろうか。他のファンの恨みを買いそうで怖いのだが。特に女性の…。
「……やべっ。」
舞台の時間が差し迫っている事に気付く俺。すぐに列に並び、チケットを差し出しデカくて立派な会場へと入る。
立派な会場だなと感心しているとすぐに舞台は始まる。
舞台名は「忘れたくない」でその内容は
『夜遅く、主人公はふと現れた細い路地に迷い込む。そこには数年前に事故で亡くなったはずの親友が立っていた。変わらない笑顔に胸が熱くなり、再会を喜ぶ主人公。しかし路地から抜け出すには「最も大切なもの」を置いていかなければならないと告げられる。
主人公は迷いながらも、最後に差し出すのはその親友との“記憶”。翌朝、路地は消え、心からも親友の存在は失われていた。けれど理由もなく涙が流れ、消えたはずの温もりだけが確かに残っていた。』
というものだった。
__この人がカードに写ってた如月さん…イケメンだなぁ…
__こんなに感動したの初めてかも
なんて考えていると何時の間に舞台が終わっていた。
俺は舞台後の余韻に浸りながらも舞台前のスタッフさんの言葉を思い出し、如月さんの楽屋へと向かう。
楽屋に着くと俺は俳優さんに会うなんて緊張しているのか手が震えていた。俺は1回深呼吸して扉を2回ノックする。
すると赤髪赤目のイケメンが出てくる。
赤髪の青年が如月さんを呼ぶ。
空良さんに俺の全身をじろじろと見られる。
俺が不思議そうにすると空良さんが突然驚きの一言を放った。
to be contenued__












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。