第25話

対話の証
327
2025/11/18 08:09 更新

*しぅくりぃむの語り*

お待たせしてすみませぇん!!
2週間休みなく働いてた(?)せいで開くの忘れてました!
音楽聴いてる暇はあったのにね、ホント馬鹿すぎる。
今回はちょっと長いです。
ごめんなさいオリジナルぶっ込んでたら長くなりました。

いやぁ…推しが戦ってるところってなんでむごいことしててもキラキラ輝いて見えるんですかね。謎だ。


まぁそんなことはテストという絶望に塗り替えてとっとと忘れましょ、自分も勉強しねぇとちとマズいぞ☆

皆さん勉強(その他諸々)頑張って!では٩( ᐛ )وヨロシクゥ!



桜 遥
なんであいつらを殴った。お前のとこは力があれば何してもいいんだろ
十亀 条
そうだよ…ここは強いやつの場所だから
十亀 条
クズがいていい場所じゃない

 頭がおかしくなれば、四肢は正常に動かなくなる。
次第にクズの皮を剥ぐことのほうが多くなった。
それは獅子頭連の仲間を切り捨てること。
十亀 条
(そんな時ちょーじが執着してたボウフウリンと揉めて、何かを変えるきっかけになるんじゃないかと思ったのに)
十亀 条
(獅子頭連に、正義もなにもない喧嘩に、みんなを巻き込んでしまった…)


 ──お前ぇ…何がしてぇんだよ。
十亀 条
そうねぇ…山に行きたいなぁ
桜 遥
はぁ?なに浸ってんだよ…クズがいていい場所じゃないって、ならなんでお前はここにいるんだ?
桜 遥
ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ
十亀 条
……
桜 遥
テメーがやってることは同じクズだ

桜 遥
確かにお前は強ぇ、でもクソダセぇ。それをわからせるためにオレは勝つ、そしたらお前はダセぇことやめて俺が喧嘩したいカッケェヤツになれ


十亀 条
…はは、ずいぶん自分勝手だねぇ。これほど実力差がある相手によく言えたもんだよ…
桜 遥
自分勝手上等!

 地面を強く踏み、宙を高く飛び足を振り下ろす。
桜 遥
俺は相手が命の恩人でも、どんなに強くても、目を逸らしたり、自分を曲げたりしねぇ!!

 パァン!!と桜の蹴りを喰らうほんの一瞬、十亀の脳内に"あの時"の出来事がフラッシュバックする。

 間違いを押し通すと決めた、あの日のことが。


ヨロヨロと体をふらつかせながらも、十亀はまだ倒れない。
十亀 条
…はは
桜 遥
十亀 条
ははは…本当に君はイライラさせるのがうまいねぇ

 振り向きざまに、大きく振りかぶった拳が桜の左頬にぶつけられる。桜もそれを踏ん張りをきかせて耐え、流れ続ける血を拭った。
桜 遥
…やっぱりさっきのは本気じゃなかったんじゃねーか、なぁもじゃもじゃ
十亀 条
もじゃもじゃじゃない。十亀だよ、十亀 条


十亀 条
とことんやろう、"桜"





チンピラ
な…なんだよあれ…
チンピラ
あ…あいつら…
チンピラ
笑ってるぜ…




蘇枋 隼飛
桜くん…君は本当にすごいな…
楡井 秋彦
ずずっ…ずびっ…
あなた
?、楡井…泣いてる?
楡井 秋彦
なんかよくわかんないっすけど…俺、めちゃくちゃ感動してます
あなた
……うん、私も同じ気持ちだよ


柊 登馬
桜のやつ…ここまでとは…
梅宮 一
そうだな
杉下 京太郎
ち…

 桜も十亀も、最初の頃と比べて見違えるほど成長した。それは動きだけでなく、心まで。
勝敗なんて関係なく、2人は何よりも、喧嘩を楽しんでいる。
 高く飛び上がり、お互い同時に頬に蹴りを入れる。
碌な着地もできずステージに転がって、2人は子供のように笑う。
十亀 条
喧嘩って心地のいいもんだったんだねぇ
桜 遥
同感だ、知らなかったよ
十亀 条
ふー…もう十分つきあってもらったし…終わりにしようか
桜 遥
だな


 正真正銘、最後の一撃。

それを喰らったのは、十亀だった。


桜 遥
……お前ぇ…
十亀 条
もう…立てなぁい、ギブアップ

 十亀も薄々気づいていたのだろう、自分が犯した過ちを。自分を押し通せなかったことを気づかせてくれた、その大切さを教えてくれた桜への感謝の表れか、十亀は自ら桜の拳を受け、白旗をあげた。


チンピラ
………は…?今なんて…
チンピラ
ギブアップ!?
チンピラ
んなわけねーだろ…
チンピラ
どんなヤバいとこにも笑って突っ込んでいく人だぞ!?
チンピラ
あ…あぁ



杉下 京太郎
……
チンピラ
さ…桜さん

 この状況、本人は納得出来ないだろうな…。


桜 遥
ふざっけんな!!なんなんだ最後の…なにがギブアップだ!てめぇ、なにわざ…
兎耳山 丁子
はーい、おつかれおつかれー

 ぴょんっ、と軽やかにステージに上がってきた兎耳山は、十亀が負けたことなど気にも止めずに桜に駆け寄る。
兎耳山 丁子
君強いねぇ!今度俺ともやろーね!さぁ梅ちゃんカモン!!
桜 遥
兎耳山 丁子
やーっと俺たちの番だよ!
桜 遥
おい待て!俺はまだこいつと…

十亀 条
ちょーじ…もう、やめよう

 ゆっくりと痛む体に鞭を打ち起き上がる十亀の声など聞こえないとでもいうかのように見向きもせず、兎耳山は座席に座る梅宮に話しかけ続ける。
十亀 条
この喧嘩、俺たちに正義はない。俺たちが…俺が悪かったんだ
兎耳山 丁子
ねぇねぇ、梅ちゃーん
十亀 条
ちょーじ…


 …ヤバい──!

十亀が兎耳山に手を伸ばした瞬間、容赦なく十亀に向けて兎耳山が蹴りを入れる。

 ──はずだったが、その蹴りを間一髪で受け止めたのはあなただった。
楡井 秋彦
(い、いつの間に…!?)


あなた
っ、ふー…

 ミシッ、と咄嗟のことで衝撃を受け流せず、モロに受けた右腕の骨が嫌な音を鳴らした。
きっと当たりどころが悪かったため、骨にヒビが入ったのだろう。
兎耳山 丁子
あれ、なんで邪魔するの?…お?

 咄嗟のことだったとはいえ、あなたの骨にヒビを入れるくらいの威力だ。それを、仲間に向けた。
なにが悪いことなのかも分かっていない兎耳山の胸ぐらを掴み、桜は怒りのままに拳を振おうとする。
梅宮 一

 その拳が振るわれる前に、梅宮がその腕を止める。
梅宮 一
こーたい!
桜 遥
……

 止めた桜の腕に、より強い力がこもる。
梅宮 一
よかったな、ちゃんと会話ができたみたいで
梅宮 一
今のお前の行動が、なによりの"証"だ
桜 遥
……
梅宮 一
十亀も、あとは任せてくんねーか。たのむ!
十亀 条
はは…ずいぶんお節介なんだねぇ


十亀 条
死なないでよね…

 十亀がステージを降りたのを見て、桜もやっと冷静を取り戻したのか舌打ちをしながらも掴んでいた兎耳山の胸ぐらから手を離した。
桜 遥
もし負けたら…ぶっとばす
梅宮 一
おう!




梅宮 一
……

 分かってる、言わんとしてることは。
梅宮 一
なんで飛び出しちまうかなー、お前は
あなた
…だって、

 十亀が蹴られるほんの一瞬、兎耳山から仲間に向けるべきじゃない声が聞こえたから。
(消えろ)
 あれは、絶対に誰にも伝えるべきじゃない。
十亀には尚更。それがたとえ言葉でなくても。

仲間を切り捨てるのも、傷つけるのも、上に立つものとして許されざる行為だ。
あなた
…体が勝手に動いた
梅宮 一
はぁぁ……
あなた
……
梅宮 一
腕、大丈夫じゃないんだろ?
あなた
これくらい平気、ヒビが入っただけ
梅宮 一
ことはに、同じこと言えるのか?
あなた
…むり

 もしそんなことを言って仕舞えば…想像するだけでも恐ろしい。ことは相手には口が滑っても怪我を軽んじる発言はしない、できない。
梅宮 一
今日は大人しく座って待ってなさい
あなた
わかった
梅宮 一
それと、俺にも応援してくれ!桜にしてたみたいに!
あなた
…はぁ、呆れた。そんな軽い喧嘩じゃないだろうに

 私の応援らしくもない応援なんて、誰にも重要性ないだろ。もしあるならどこにそんなものがあるのか教えて欲しいくらいだ。
あなた
…負けたら私の被害が他よりデカいから、死んでも勝て
梅宮 一
ははっ!確かにそれは避けないとな!
あなた
ちゃんと勝ってよ
梅宮 一
…おう!任せろ!

 梅宮が負ければ、ボウフウリンは獅子頭連の配下に加わる。そして梅宮に勝てば兎耳山とタイマンすると約束してしまったあなたは、右腕が折れた状態でタイマンしなければならなくなる。

 それだけでなく、あなたが相手をした明石率いるクズどもに負けた時の条件「獅子頭連に飼われる」が確定になってしまう。


ボウフウリンのシマも獅子頭連のものとなり、街を荒らす不良たちが増えていくはず。

 あなたの負担を減らすためにも、そして街のためにも、梅宮には負けてもらっては困るのだ。
楡井 秋彦
き、鬼龍さん!大丈夫ですか!?腕!!
あなた
だい…………ちょっと痛い
蘇枋 隼飛
(大丈夫って言おうとしたんだな…)
柊 登馬
(ことはちゃんのお叱りを受けたのがそんなに効いたのか…)
楡井 秋彦
(絶対ちょっとじゃない!)
あなた
帰ったら病院行かないとな

 そのためには勝敗を見届けないと、このオリからは出られないんだけど。まずこっちが勝たない限り出られることもないが。
桜 遥
……
あなた
お疲れさま、それとおめでとう
桜 遥
…何がだよ
あなた
対話、ちゃんと出来てた
桜 遥
……俺は納得してねぇ
柊 登馬
お前は気に食わんだろうが、最後のは十亀なりのケジメなんだろう…
柊 登馬
それ抜きにしても、よくやってくれた

 少し顔を赤らめた桜が、ふんっ、と照れ隠しに顔を背けた。そんな彼らの様子を見終えた梅宮は兎耳山の方を振り返る。


 十亀は変わった、桜のおかげで。
でも兎耳山は……十亀が守りたいものがどうなるか、正直私にも分からない。
鬼が出るか蛇が出るか、この後のことは誰にも予想もつかないことだ。
あなた
(きっとこの戦いは──)

 チラッとコチラを見た梅宮と偶然にも目が合う。
"あの時"と同じ笑顔を向けたと思えば、今度は真剣な表情で兎耳山に向き直る。

「任せろ」ねぇ…。
あなた
誰もがお前みたいに楽観的に考えられるわけじゃねぇっての

 小さく呟いたあなたの口角が、ほんの少しだけ上がっていることに、誰一人として気づくことはなかった。


次回、お楽しみに!٩( ᐛ )وイェア

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