授業中の小テストの時間、
問題を最後まで解き終わった私は残りの5分間机に伏せて寝ていた。
皆に聞こえるように教室の端から叫んでいる。
私の席の横をすーっと通ると金木犀の香りがした。
香水を変えたのか柔軟剤を変えたのか…並木道を歩いて来たのか…
その香りに気づいたのは私だけではなかった。
クラスの女子が「あれ?先生いつもよりいい匂いだね!」なんて言うと
って口を尖らせて怒る。
結局正解はわからなかったけどこんなに可愛く怒られたら正解なんてどうでも良い。
恐らくそれは発言した女子も一緒の気持ちで…
みんなから人気物な阿部先生。
私には到底関わることが出来ない存在…。
…だと思っていたのに
2年のクラス替えで私の運命は大きく変わった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。