第52話

"さいきょう"の始末屋兄妹
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2021/07/28 15:00
西郷
「まあまあとりあえず座って」



と、お座敷に案内され


昔の話を始めた



西郷
「あれはあたし達がある艦隊に乗り込んだ時の出来事ね」





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中にはうじゃうじゃと天人達が湧いていた



その天人達は西郷を怯えた顔で見ている



「あ!あれは!」



「白フンの西郷!!?」



西郷
「ふんっ」



次の瞬間天人達は西郷達に襲いかかる



が、いとも簡単にやられてしまった



それでも中からまだ湧いてくる



「行けぇぇぇ!!」



その掛け声と共に天人達はまたもや一斉攻撃にかかろうとする



次の瞬間天人達の背後から小柄な長髪の少女とその少女によく似た青年が飛び出してきた



「おい!貴様らも加勢しろ!!」



その呼び掛けに2人は答えること無く俯きがちに不気味な笑顔を浮かべていた



『うっせぇよ…おっさん』



そういうと右手に握られた刀でそばにいる天人の首を斬った



「おい!貴様ぁ!!何をするか!!」



『何って…寝返り?』



「なんだと??」



「俺達ぃあんたらの味方になんてなったつもりないんやけどぉ」



『白フンの西郷さん?やったっけ?うちら兄妹もあんたらに加勢しますよぉ』



そう言って近くにいた天人達を一瞬にして倒して行く



西郷
「なんなのあの兄妹…」



「西郷さん!あの兄妹"摂津の鬼神"って呼ばれてる2人ですよ!」



西郷
「"摂津の鬼神"…」



噂には聞いた事があった



大阪で往来する幕府お抱えの"さいきょう"の始末屋兄妹の噂を



鬼のような圧倒的な強さ



血にまみれながら浮かべる不気味な笑顔から鬼神などと謳われているという



なぜその兄妹が幕府側を寝返りこちら側につこうとするのは分からない



だが、その兄妹が味方につけば心強いことには変わらない



西郷
「坊ちゃん!お嬢ちゃん!ありがとう!」



『そろそろこいつら天人の態度に痺れ切らしただけや!感謝されることなんてしとらんで!』



「あっはは☆ねぇあなたっ!」



『ん〜?』



「こいつら斬るのたっのしいねぇ!」



天人の血を浴び不気味な笑顔で少女に呼びかける



『せやなぁ!!濶兄ぃ!!』



それに答えるように少女も楽しそうに笑う



この兄妹はまだ言っても10代半ばだろう



なのに何故こんなにも人を斬り倒す事が楽しいと感じれてしまっているのだろうか



そんな事をあの兄妹と共に天人を倒しながら考える





気がついた時には天人の死体と血で床は敷き詰められていた



西郷
「あんたら…」



ハァハァと肩で息をする兄妹のそばに行くと足元に転がった天人達を目を見開いて眺めていた



「こいつらが地球に来やんだらさと兄ぃは死ぬ必要なんてなかったんや」



『せやな…』



そう言う兄妹の目には涙が浮かんでいた



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"智兄ぃ"って一体誰なんでしょうか!!←







登場人物を増やして自分から首を締めに行くスタイル()



でもそうした方が辻褄を合わせやすいんだよ


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