会議の時間になると
ドアの向こうからノック音がして
ジョンウォンが入ってくる
頷いて、必要な資料を手に取った
ヒールの音だけが廊下に響く
会議室に入った瞬間
全員が一斉に立ち上がった
空気が一段冷たくなる
海外支店の進歩報告
今月の見通し、数値の確認
名の知れたブランドだからといって
その名前に胡座をかくことは許されない
立ち上がり、手にしていた資料を軽く閉じる
社員も立ち上がり
あなたの背中を見つめる
ドアがしまった瞬間、
背後から微かに安堵の息が漏れるのが聞こえた
そんな声に背を向けて歩き出す
もう慣れた光景
「怒ってるの?」「冷たい」「無愛想だね」
今まで何度も言われてきた
私は無意識に眉間にシワを寄せる
癖があるらしい
直そう直そうと思っても
真剣に慣ればなるほどシワが深くなってしまう
だから早々に諦めた
ジョンウォンを並んで歩いていると
前方から明るい声がした
笑いながら近づいてくるのは副社長のヒスン
チラッと彼をみるとネクタイが
曲がっていることに気づく
ヒスンの首元に手を伸ばす
まるでドラマみたいなネクタイを結ぶシーン
ではなくて横からジョンウォンの手が
伸びてきてネクタイを直し始める
思ってたのと違ったらしいヒスンが
至近距離のジョンウォンに若干気まずそうに言う
ジョンウォンは満足そうに笑って
「社長、行きましょう」
と先に歩いていく
苦笑いをしてるヒスンを後に
ジョンウォンについていった
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!