この作業マジでだるい。それもチェンソーではなくノコギリでギコギコと。ふざけんなよ。
でもやるしかない。働かないと生きていけない。
だから、俺はたくさんの木を長い時間かけて切った。
約8時間後
俺はそれを受け取ると、山の方を降りていった。
山道の途中
しかし、次の瞬間俺は足を止めた。
そこには猫がいた。
それもさっきと似ている…いや、全く同じ猫が。
猫は思わず出してしまった俺の声に反応したのか下り道になっている山道を素早く降りていった。
俺は急いで5000円をポケットの中にいれ、猫が行く方向へと走っていった。
走り始めてから10分後ぐらい、猫はようやく止まった。
それに釣られて俺も足を止めた。
とても息切れが激しかった。
その鳴き声の意味がなぜか俺には分かった。
俺は猫とは話が通じないと思いながらちょっと挨拶をしてみた。
正直俺はそんな猫と話ができるなんてアニメや漫画上での話だとずっと思っていた。でも今回は夢でもないアニメでも漫画でもない現実での会話なのだ。
そこにはベイの家と同じくらいの小さな家があった。可愛いおうちだ。
続く。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!