あの時俺は親に捨てられた。
森の中に一人置き去りにして車で走り去っていった。本当に許せない。
て言ったって街中には俺のような汚ねえ餓鬼はどこも入れてはくれないし
そもそも助けてくれる人なんていないだろうな。
あぁ、こんな俺何で生きてるんだろうな。
6月23日 午前7時
俺は目覚まし時計のアラームの音に目が覚める。
そしてゆっくりと脆い階段を降りる。
そしてご飯を食べる…
とでも思ったか?俺にはご飯を食べるお金なんてないんだ。
そのままカバンにいろんな工具とかをぶち込んで鞄をしまう。
急いで水筒を準備してカバンの中にしまって玄関に行く。
誰もいない家中に俺の声が響く。
そしてドアをあけ外にでた。
今日の仕事は山へ木を切る仕事だ。
そしてお給料は約1000円。労働時間 5時間。
でも、俺にとっては結構高い仕事だ。ひどい時なんて靴磨き8時間でたった300円の仕事なんてやったんだからな。
そんなことを考えている間に俺は今から登る山の入り口の前に立っていた。
とても当たり前なことを口にして入り口の中へ入っていった。
麓から約28分ほど。
俺は変なものを見た。
「ガサっ」
そう言った瞬間ゆっくりだった音が急に早く音が遠かった。
そう思った俺は得意の走りでそのあとを追いかけた。
そして頑張って俺はその怪しい生き物の尻尾を掴んだ。
ガシっ!
しかし、その正体は…
勢いよく掴んでいた手の力がいきなり抜ける。
その隙に猫の尻尾がするりと手の中から抜けてまっすぐ走り去っていった。
そう言って俺はまたあの猫を追いかけた。
しかし、その瞬間とても信じられない様なことが起きたのだ。
「シュンッ!」
「消えた!!??」
その瞬間猫は一瞬で姿を消した。それも瞬間移動みたいに。
正直、すごいと思い興奮する気持ちと、もしかして幻覚を見たんじゃないかと不安に思う気持ちが混ざり合った様な気持ちが今の俺だ。
しかし、そんなことを考えたってしょうがないので今はただ幻覚を見ただけと思う様にした。
俺は元来た道を引き返していった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。