第8話

受験。
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2021/06/11 12:51
「え!由紀って医者になるの?」

川上 由紀
川上 由紀
うん
「そんなんだぁ…」








あれから叶多の夢を叶えるため、勉強する時間を増やした。




夏休み中は廃病院に行って叶多と一緒に





夏休みが明けてからは家で





あの日から三ヶ月経っていた






毎日は無理だったけど週2回位は廃病院に行ってる。













叶多
叶多
無理してこなくても大丈夫だよ?疲れるでしょ?



叶多はそう言ってくれた






川上 由紀
川上 由紀
大丈夫だよ
そんな疲れないし叶多一人だけだとつまんないでしょ?



そう言うと嬉しそうに笑ってくれる









川上 由紀
川上 由紀
あと少しだから待っててね…
叶多
叶多
……うん
三ヶ月後ー



『桜葉看護専門学校』


今日はその受験日


落ちるわけには行かない







「始めっ」

試験会場には鉛筆の走る音が響く




合格できなきゃ始まらない


叶多の想いを無下にはできない














数日後

合格発表の日。









スマホでも結果が見れるということで
廃病院へと来た





















叶多
叶多
どう?あった?あった?
スマホを操作する私の横で叶多がソワソワしながら聞いてくる
川上 由紀
川上 由紀
待って!まだ、画面出てないから………
よし、出てきた。
一緒に見るよ
叶多にも見えるようにして結果発表のところをタップする

















そこの画面には桜が舞っていた




そして












『合格』






と表示されてあった



叶多
叶多
由紀!おめでとう!凄いよ
………でもごめんね。
僕の夢のために…
犠牲みたいになって
川上 由紀
川上 由紀
何言ってんの?
叶多のおかげで夢ができたんだから
叶多
叶多
そっか
川上 由紀
川上 由紀
うん。そうだよ。
叶多
待っててね…
私が医師になるまで
叶多
叶多
うん。どれだけ長くなったとしてもいくらでも待つから

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