それから、葛葉からは何も来なくなった。
通知音が鳴らないことに、
最初は違和感があった。
でもそれも三日目には慣れてしまった。
寄り道は、考えないための時間。
三人でコンビニに入って、
それぞれ飲み物を選ぶ。
最初は胸がずっとざわざわしていた。
でも何も聞かないまま、
何も言わないまま過ごしているうちに、
感情の波が少しずつ静まっていった。
不思議と、胸は痛まない。
完全に無傷なわけじゃない。
でも、自分を守る距離を覚えた感じ。
湊くんは私の横顔を見つめて、
少しだけ安心したように息を吐く。
それは嘘じゃない。
前みたいに、スマホの通知に
心臓が跳ねることもない。
葛葉の姿を見かけても、
わざわざ視線を追わない。
" 放置 "
それは逃げじゃなくて、
選択になっていた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。