相互さん限定公開だった『視えるので』という小説
1週間限定で全体公開にしたのでぜひご覧ください
好評だったらそのまま全体公開を続けるかも?
ころんが変に集会の話を持ち出したがために、重々しい雰囲気が流れる
何か、この重苦しい空気を吹き飛ばせるような、楽しい話題はないだろうか。
莉犬の曇った表情を、少しでも明るくしたい。
屋上には、穏やかな春の風が吹いている、
きれいな桜の花びらをヒントに、ころんはあることを思いついた
ころんがそう提案すると、莉犬は少し驚いたように、目を丸くした先程までうつむいていた顔を上げ、ころんの目をじっと見つめている
その瞳は、まだ不安の色がのこっているものの、どこか希望の光も宿っているようだった
ころんは矢継ぎ早に提案した。
莉犬の好きなものをたくさん並べて、少しでも楽しい気持ちになってほしかった。
猫カフェの話が出ると、莉犬の表情が、少しだけ和らいだように見えた。
莉犬はそう言って、小さく微笑んだ。
屋上には相変わらず、暖かい春の風が吹いている。
その風は、二人の間を優しく彩っていた
昼休みの終わりのチャイムが、何処かで聞こえた
莉犬はそう言うと、持っていた弁当箱を丁寧に閉じた
ころんもそれに続き、残りのパンを口のなかに詰め込む
澄み切った青空に、真っ白な雲がゆっくりと流れていく
屋上の片隅に咲く桜は、春の風に吹かれ、静かに揺れていた











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。