第3話

3. 俺の愛がわからないの?※
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2018/01/26 14:18







「起きて」




1日経ったあと、

俺が彼女を起こしても、

彼女は起きなかった。



いや、起きないフリをしているのかもしれない。



そう思って俺はもう1回。



「起きて」




と言った。

それでも彼女の反応はない。




それでも微かに息をしている音は聞こえる。




「ねえ」


「起きろっつってんだろ」





俺は彼女の体をグイッと引っ張る。




「きゃっ」




小さく悲鳴をあげる彼女。


__________やっぱり起きてたんだね。





「…起きてたんだね」


「ねぇ。遊……おかしいよ、こんなのって……」




彼女が体を小さくし、小刻みに震えている。


おかしいって…。


おかしいのは俺の愛がわからない彼女の方だ。




「おかしいのは、俺の愛がわからない君の方だよ」




そっと、彼女の髪の毛を撫でる。


彼女はそれにビクッと反応する。




怯えちゃって、可愛い。




「こんなの…」


「こんなの愛じゃない……っ」




目元はタオルで隠されているからわからないが、

恐らく彼女は泣いている。




__________これが愛じゃない?


彼女には俺の愛が分からない?





俺だけにしか今は見れない彼女。

邪魔者はどこにもいない。





分からないならもっと…。




「君が愛をわからないなら、もっと、たっぷり、教えてあげるよ」





彼女にはまず、愛の印をつけなければいけないと思う。



1度、手首のロープを外すなど

彼女の体を解放し、

そっとカッターを握りしめ、

無理矢理彼女の上着を脱がせた。




「な、何するの…っ」




怯える彼女。

今、彼女はどんな目をしてるんだろう。



そう思って彼女の目元のタオルを外す。




__________あぁ、汚れてる。


あんなにキラキラしてた瞳は、

光などなく、真っ暗な瞳に変わってる。




それでも、俺は君を愛すよ。

__________どんなに汚い君でも。




「怖がらないで、痛くない」




そう言って、彼女の腕を握り、

カッターの刃を向ける。



白くて、柔らかくて、綺麗な腕。



その腕に刃を…。



「や、やめてっっ!」



刺そうとした瞬間彼女が俺を思いっきり突き飛ばした。




……どうして?

……嫌なの?




「……どうして?」


「もう、もういやっ!」




氷水で冷えきった足で、

よろけながら逃げようとする彼女。



__________無駄だよ。



俺から逃げられるわけがない。

誰よりも君への愛が強いのだから。




逃げようとする彼女を簡単に捕まえ、

後ろから引っ張り倒した。





「…っ!」




彼女はそのまま腰から思いっきり倒れた。

その隙に彼女の上に跨る。




「俺の愛がわからないの?」


「違う…!こんなの…!違う…!」




必死に抵抗する彼女。

でも男の力にかなうはずない。




俺は彼女の両腕を左手で掴み、

右腕で再びカッターを強く握った。




「い、いやだっっ…」




目に涙を浮かべる彼女。


彼女の白くて綺麗な腕に、

カッターを刺した。





「…い゛っ…」




苦痛の表情を浮かべる彼女。

そのまま、カッターをそっとズラす。




カッターの動きと同じように、

震える彼女の体。




「…できた。」




彼女の腕にカッターでかいた「Y」という俺の名前のアルファベット。


俺のモノ。俺のだけのモノ。




そういう意味で彼女の腕に名前をかいた。




彼女は「痛い」とひたすら泣いている。






_____もっともっと、俺の愛を刻んであげるからね。

……君が嫌という程俺の愛がわかるまで。






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