Side ⌇ あなた
バイトに行く準備をしていると
外から元太くんの声が聞こえて
窓を開けてみると
満面の笑みで大きく手を振っていた 。
早足に準備をして
家にいるお兄ちゃんに挨拶をしてから
家の外で待っていてくれた元太くんの元へ駆け寄る 。
中村は私含め今付き合ってる女の人とは
みんな別れたらしい 。
そしてまた1から始めてみると …… 。
良かったよ 、 中村に出会えて 。
好きになれて ……
分かりやすくミニパニックを起こす元太くん 。
こういうところ可愛いなあ … 笑
あまりにも急な告白だったから
私自身驚きを隠せない 。
目を丸くしていると
何か独り言を言いながら私を置いて
前を歩いていく元太くん 。
そして少し離れたところで
隣に私が居ないことに気がつくと
振り向いて走って私の元まで戻ってきた 。
私がそう言うと今度は元太くんが目を丸くした 。
少し嬉しそうにしていたけど ……
告白をしてもらったら考えるのが
普通なんじゃないの … ?
帰ってお兄ちゃんに聞いてみると
全く気のない人に告白されたら
すぐに断れるから 、 そう言ってた 。
てことは私 …
少なからず元太くんに気があるのかな 。
自分でもわからない 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。