ここは ,山の手【 星稜学園 せいりょうがくえん 】
幼稚園から大学まで エスカレーター式
今や その名を知らないという人はいないと
言っても過言ではない ,全国的にも名高い
名門の私立高校である 。
午前𝟩時𝟥𝟢分頃 学園に登校していると 背後
から 自分を呼ぶ大きな声が聞こえ ,振り返る 。
そこに立っていたのは 𝟣人の少女だった __
挨拶をすると ,
菜乃は すぐに私の横に小走りで寄ってきた 。
「 おはよーー 」と 挨拶を返しつつ ,
彼女は どこか遠い目で車道を見つめている 。
ー 星稜学園 𝟣年𝖥組
駆け込んだ教室は 普段と変わることなく
賑やかで ,まだまだ生徒同士の雑談が
飛び交っている 最中であった 。
いまの反応を見て 分かった方もいるとは
思うが ,私はとても裕福な家庭で 育ったとは
言えない 人間である 。
自宅は ボロアパートだし 車だって ,
高級車はともかく 一般車も持っていない 。
そんな庶民以下の私が ,
何故 この学園に通えているのかというと __
ー 遡ること 昨年𝟪月
という感じで いわゆる親の都合 。
そんな場違いな学園で ,〈 あと𝟥年の辛抱 〉
私は毎晩呪文のように そう唱えるの 。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。