日曜日のお昼、ウォヌ宛に宅配便が届いた。
少し重たいダンボール。
玄関で受け取り、両手で抱えてウォヌの部屋へ運ぶ。
コンコンとノックをするけれど、返事は一向に聞こえない。
そっとドアを開けると、ウォヌの横顔。真顔で目の前のパソコンを睨んでいる。
いました。居留守されていました。
チラッとこっちをみて、再びパソコンに集中するウォヌ。
完全に無視。
返事を貰うのは諦めて、ドアの近くにダンボールをそっと置いて部屋を出る。
スマホが鳴ったかと思うと、スニョンからのメッセージ。
スニョン含め、出かけていた数人が帰ってくるらしく、ご飯を買ってくるのでみんなで食べよう、とのこと。
ウォヌも知ってるのかな…まぁいいか…
無視されるの嫌だから話しかけに行きたくないなぁ、と思っていると、ウォヌが大欠伸をしながら部屋から出てきた。
そのまま無言でソファに座る。
見つめる私。
スマホを見るウォヌ。
急に笑い出したかと思うと、笑顔でこちらを見つめるウォヌの姿。
訳がわからず、ハテナマークを浮かべてウォヌを見つめる。
その話にもびっくりだけど、さっきの宅配便の時のウォヌの無視が、どうやら意図的でないことにさらに驚きを隠せない私。
ニコニコと、いや、ニヤニヤと携帯を見つめるウォヌを、ただただ見守る。
ムクッと立ち上がり、低い声でそう呟くと、ゆっくり部屋に戻っていくウォヌ。
呼んで、また無視されるんじゃないかと、後ろ姿を見送る私。
振り向いて、ははは、と乾いた笑い声を聞かせて、彼は巣へ戻っていった。
呼びません、絶対に。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。