泣き続けて、はや1時間。
愛人のことになると、こんなにも時間は早く進んでしまうのか、としみじみ思ったのも束の間。
勝手に、いつか帰ってくるだろう、と思ってた愛しの人が帰ってこないことに気付いた。
ふと手紙に目を向ける。
これは紛れもなく、あなたの字。
スタイリッシュな綺麗な細字、俺には若干走り書きしたようにも見えた。
センラに言われた言葉が、蘇ってきた。
"はよ素直にならんかったら、あなたちゃんの方から捨てられんで? "
本当に起こってしまった限り、もうどうしようもない。
そんなネガティヴな考えが頭に浮かぶ。
ありのままの自分を、彼女にまで隠して強がって。
デレるのが元々苦手だったから、塩を演じて。
こんな性格になってしまったから、あなたも離れて行ってしまったんだ…と痛感する。
このままあなたが、あんだけ俺の事を好きでいてくれたあなたが、離れるのを黙って見るのも出来なくて。
俺は、スマホと財布を持って玄関に向かった。
彼女を探すために______












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。