前の話
一覧へ
次の話

第1話

prologue
59
2019/10/16 22:54
私は、今日も校庭を走る。
陸上部だからでもないし、そもそも部活などしていない。
いや、これは嘘か。
今はしていない。
星山 楓
はぁ…………
何周走ったかは覚えてない。
でも陸上部が終わるのが六時過ぎ。
空は黒く青く染まっているのを見ると八時過ぎくらいだろう。
星山 楓
もう帰ろ……
頬にあたる風が冷たくて、夜空が泣いている気がして、そして、あの子の笑顔が脳裏に浮かぶ。
星山 楓
駄目だ……こんなこと考えたら……
自分に言い聞かせ、私は足早に校舎を後にした。

プリ小説オーディオドラマ