朝。いつも通りの見慣れた部屋で起きる。
いつもと違うのは…
「やぁ、おはよう」
『(夢じゃなかった…)』
「夢じゃないよ」
『…』
「女の子は朝に準備があるでしょ?ほら、起きて!」
『…』
「朝に弱いタイプなんだね。そこのとこも可愛い」
『んー…』
「ほら〜、起きて〜!今日はお出かけだよ〜!」
『はぃ…』
眠たい体に鞭打って起き上がる。
歯を磨いてご飯を食べて、軽く化粧をして。
みんなみたいな可愛いメイクなんてできないから、
覚えたてのおぼつかないメイク。
いつか勉強しようと思う。
「メイク姿もかわいい!
準備もできたことだし、行こっか」
『はい』
「楽しみ?」
『楽しみではないですけど、気になります』
「ならよかった!
いい子たちだから、絶対仲良くなれると思うよ!
人間もいるし」
『人間…?』
「そーそー。可愛い女の子が二人!」
女の子と聞いて、一人思い浮かぶ人物がいる。
神社にいた金髪の女の子。巫女さん、だったような。
あの子はちゃんと人間なのか…。
二人っていうことはもう一人いるってことだよね。
『金髪の子ですか?』
「あぁ、前会ってたっけ。そうそう、その子。
もう一人は黒髪美人!」
『その人は見たことないですね…』
「神社に行けば会えるよ、行こ!」
当たり前のように手を繋ぎ、指を絡めてきた。
『ちょ、ちょっと…!!』
「ん?なに?」
『いや、あの、手…!!』
「嫌なの?」
少しニヤついた顔で私を見つめる菅原さん…
いや、こうし、くん。
あんまりこういうの慣れてないからやめて欲しい。
『あ、あんまり、したことないので、!ちょっと恥ずかしい、です。///』「…」
『、??』
そう言うと、菅原さんは顔をバッと背けて空いた片手で口元を隠した。
「…あなたちゃん可愛すぎね…」
『!?』
「いいじゃん。どうせ他の人達には俺の事見えないんだよ?」
『…』
まぁ確かに。見えないけど…。
それって傍から見たら私空と手繋いでる人にならないか!?
それはそれで嫌だけど!?
『…ダメです』
「え〜〜〜………ダメ?」
少し背を曲げて、上目遣いをしてお願いする菅原さん。
大人げない…。
顔が整っている菅原さんに勝てるはずもなく。
『分かりました…』
「よし!なら早く行こうっ!!」
元気になって歩き出す菅原さんに連れられる私。
多分顔が赤いであろう私は、
菅原さんにバレないように目線を下に向けて
見られないよう必死だった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。