第5話

誕生日パーティー
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2023/11/15 12:43 更新
そしてついにやってきた17時。


パーティーが始まる時間。
私は母様と手を繋いで会場となっている、我が家のお庭へ。


今日はお庭でやるガーデンパーティー。


寒くないように結界的なものが貼ってあるから家の中で火を炊いたのと同じくらいあったかい。
カルロス・オスタン
______では、これより。我が愛娘、メメントモリの誕生日パーティーを開催する。
パチパチパチパチ…
父様…カルロス・オスタンが静かなのに響く不思議な声でそう宣言すると、会場のあちこちからパチパチ…と上品な拍手の音が聞こえてきた。


…めめ村のみんなでパーティーとかやったら、きっとこんな上品な感じじゃなくて、ワーワー騒いでるすごい楽しいちょけたかんじになるんだろうな…。
って、今はそっちのこと考えてても仕方ないか。
カルロス・オスタン
はじめに本日の主役である愛娘を紹介しよう。メメントモリ、出てきなさい。
私の、今日のたった一回の出番。


父様に呼ばれ、背筋をピンとのばしてゆっくり、だが待たせすぎないように気をつけてお上品に歩く。
前に出て、父様の横に並ぶ。
メメントモリ・オスタン
はじめまして。メメントモリ・オスタンです。本日は我が家主催の誕生日パーティーに足を運んでくださり、心より感謝申し上げます。短い時間ではございますが、どうぞごゆるりと寛ぎ、楽しんでいただければ幸いです。
本当はなにも喋らなくてもいいと言われていたけれど。


せっかく、私の誕生日パーティーのために足を運んでくれたのだから、つい言いたくなっていってしまった。
父様と母様はまるで私がこうすることをわかっていたかのように落ち着いているけど、会場にいる人たちはとてもざわめいている。


…4歳児がこんなに流暢に喋り始めたからかな?
カルロス・オスタン
メメントモリ。挨拶ご苦労。では、娘の挨拶も済んだ。この後は各々、自由に過ごしていただきたい。我が娘の誕生日に…乾杯!
カイィィン………
ざわざわしていた人たちも父様の一声で鎮まり、一斉にグラスを掲げた。
ガラスのぶつかりあう音が静かに響いた。
メメントモリ・オスタン
んー、おいしー♡
まだ知り合いもいない、他の貴族たちとの付き合いもない私は料理を堪能していた。
食事は立食形式。


それぞれが好きなタイミングで好きなものをお皿に装って食べる。


今日は私の誕生日だから、机の上に並ぶ料理はどれも私が好きなものばかり。
カラーベリーのチーズケーキは酸味と甘味のバランスがちょうどよくて美味しいし。


デアリーフとマトマ、スターサーモンのサラダはそれぞれがお互いの味を引き立てあっていて、でも絶対的な主役はスターサーモンっていうのをくずさずに保っている。
ローズマリーのスープは数種類のハーブの香ばしい香りがして、入っているお肉は口に入れればほろほろととろける柔らかさ。
本当どの料理も絶品すぎる。
ちなみにカラーベリーっていうのはあっちでいうブルーベリーみたいな小さな果実のこと。


その名前の通り、いろんな色がある。


デアリーフとマトマはちょっと色味の違うレタスとトマトみたいなかんじ。


スターサーモンは数あるサーモンの中でも一番大きく、立派で美味しい品種のこと。
カラーベリーとデアリーフは一般的な家庭でも出てくるようなお手頃価格な食材にもかかわらず、絶品だから貴族のお家でも幅広く使われているらしい。
メメントモリ・オスタン
……ご馳走様でした。
ある程度お腹いっぱいになるまで食べたので、ご馳走様をして、使用済みのお皿、フォークとナイフを使用済みのお皿を置くスペースに置いた。


そうすれば、使用人さんが片付けてくれる。
メメントモリ・オスタン
(……にしても、人が多すぎてちょっと酔ってきました…。誰もいなさそうな花園にでも行こうかな。)
私の家は皇帝の弟の家ってことで、この国では皇帝の次に偉い(らしい)。


なので、他の貴族の人たちとの交流も多く、娘の誕生日パーティってだけでもたくさんの知り合いがよばれる。
広い広い庭でも少し狭く感じるくらいに。
加えて身体が小さいからか、どうしてもすれ違うときに気づいてもらえないこともあり、避けるのに大ぶりな動きを何回も繰り返したのもあるかもしれない。
ってことでパーティーの表舞台から抜け出して私は裏道を通って花園へと向かった。

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