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満月の日。
月を背に、屋上から下を見下ろす影が2つ。
その背後にいるのは彼女らの手足となるものたち。
ボスらしき人が1歩前へ進みでる。
その人はどこからともなく武器を取り出し……
こう言った。
少し前
みんなに一斉に指示を飛ばしたあと、一呼吸置いてから
前を向く。
めめがそう言った瞬間、めめの両脇を2つの影が颯爽と駆け抜けていく。
その2人はもちろんウパパロンとLatteだ。
2人は敵の前へ正面から突っ込んだかと思えば、いつの間にか手に持っていた相棒を使い瞬く間にそれぞれ5人程を吹き飛ばした。
目の前に敵がいるのにウパはLatteの方を見つめながら
にやりと煽るような笑みを浮かべる。
そしてLatteも聞き捨てならなかったのかウパの方を
向いて反論する。
その間にも敵は襲いかかってきているが2人に届く前に
焔と水の龍によって拒まれた。
ウパが言い終わらないうちに2人の間を通り抜けながら
ぜんこぱすが敵を何人か掠め取る。
ぜんこぱすは自分の身長よりもありそうな斧を軽々と振り回しながら相手の攻撃を避け続けている。
そう言ってお互いに敵に向かって走り出し、攻撃を繰り出す。
水でバリアを貼り、トライデントで突いて爆発させたり……、焔の龍を身に纏いながら敵を焼き尽くしたり...
一方ぜんこぱすも勝負には関係は無いものの一心不乱に斧を振り回していた。
ルカが伸びをしながらそう言った後、八幡宮も振り返らずに手を振り、そのまま下へ飛び降りた。
その直後、バンッバンッという銃声と打撃音が鳴り響き、前が取りこぼした敵をひとり残らず散らしていく。
そんなたわいのない会話をしているとどこからともなく
銃弾が飛んできて……
パンッ!!!!!!!!!!
と破裂音がして頭部を撃ち抜かれた
かと思いきや実際は2人に向けて放たれた弾をみぞれが
自身の銃で2人に当たるのを阻止していた。
2人はみぞれ達の方を振り返り手を振ったりお辞儀をしたりして感謝を伝える。
褒めちぎられて嬉しいのか、みぞれは少し口元が緩んでいる。
みぞれがスナイプしたのと同時刻……
空に響き渡る声に耳を痛めながらぐさおとメテヲは
保護対象の2人を探していた。
2人はうずくまるようにしてテーブルの下に収まっていた
数分後……
コツ、コツ、コツ、コツと靴の音と無線から聞こえるザザザッというノイズの音だけが空間にこだましている。
そしてその音は正確に2人がいる場所へ向かっていた。
あと10m……5m…当然それもわかっているが2人は
動けない。
バレずに見過ごしてくれるのを待つしかないのだ。
もうダメ、と息を殺していると突然音が消え、再び
静寂へと戻っていく。
外から聞こえてきていた戦闘音も気付いた時には無くなっていた。代わりに何かが生えているようなぐにゅぐにゅとした音が聞こえてきたがそれもすぐに消えた。
どうなったのだろうか??
諦めて引き返したのか?それとももう戦闘が終了した?
どちらにしろさっきまで鳴っていた足音が2人の運命を決めるのは確かだ。
目を瞑りながら菓子の上に覆いかぶさり必死に菓子だけでも隠そうとする。
ふと明るい気がしてうっすらと目を開いて周りの様子を確認してしまった。
茶子は目の前の情報を飲み込むのに時間がかかっていた
なぜならツタがさっきまで隠れていた机やソファーを持ち上げていたからだ。
茶子は混乱した。ここはビルの中、しかも5階程の高さがある。とてもじゃ無いがツタが生える環境ではない。
いやその前に持ち上げているのも理解ができない。
茶子が混乱しながら何も言えずにいると、ツタを操っている青年の後ろにいた綺麗な黒髪の少女が口を開いた
茶子はなぜ名前を知っているのか、と質問しようとしたが、危険かもしれないと理性で思いとどまる。
茶子がどこからともなく取り出した剣を2人に向け、
牽制する。菓子も茶子の腕の中で震えながら猫のようにうずくまっていた。
それを感じた茶子は唇を震わせながらゆっくり口を開いた。
震えながら必死に菓子を抱きしめ、そう主張する茶子の"眼"からは涙がツー、と流れ出す。
腕の震え具合を見ると菓子も泣いているのだろう。
………可哀想な、罪のない幼い子。
ゴーン、ゴーン、カチッ、カチッ……
茶子はまるで信用出来ない、というようにめめとiemonを交互に"視る"。
そう言いながらめめは不敵に微笑んだ。
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ……
無限に思える時計の音とそれと共に揺れる天秤。
茶子は無意識に異能を発動していた。
もちろん自分から発動ができない訳ではない。だがこの状況下では意識せずとも防衛本能が働いたと言ってもいいだろう。
茶子はずっと前から……いや、"涙を流した瞬間"から
2人を正義の天秤にかけていた。
判断を間違えれば自分だけでなく妹まで危険に晒すことになる。
だが女神は、天秤は…………2人の道を正確に照らす灯火となる。
iemonは短く断りを入れるとヒョイっとめめを持ち上げ姫抱きをする。そのまま天井に空いていた隙間から外へ逃げ出したかと思えばツタを使って茶子と菓子を同時に外へ連れ出した。
iemonはめめを姫抱きしたまま、出た先にあった壁裏へ2人も連れて身を潜めた。
と思ったのも束の間、下から窓ガラスが割れる音と銃声が響き渡った。
めめは心底落ち着いているような顔でそれがまるで日常のように囁く。
xx年 〇月〇日
…………というやり取りの末、全員無事に帰還。
対象の2人は今のところ好意的な模様。
今後については引き続きこちらで様子を見た後任務なども行ってもらう予定。
p.s.
拝啓 迷ヰ犬の皆様方へ
また全員でそっちへ伺います。
大事な要件について、ですよね?なにかありましたら
なんなりと。
敬具 mmmr第1席 めめんともり
書類を纏めて席を立つ。
━━━あの子達が来てから1週間が経った。
今のところは大丈夫そうだ。菓子ちゃんの警戒心も
解けてきている。
でも、そろそろ厳しく扱かないとなぁ……
そんなことを考えながら部屋までの道を歩いていると
前から来た人とぶつかってしまった。
彼は任務終わりなのかまだ仕事着のままで髪も乱れている……し、ほっぺにも傷…が、?!
なんでそんなに無頓着なんですか、
私の時は不安そうにするくせに。みんなの時は叱ってしばらく気遣うくせに。
もっと大事にしてくださいよ……、!
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保険⤴︎











































編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。