第5話

 1 : 出来損ない
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2026/03/25 13:00 更新

ママもパパも、初っ端ハナから私に術師としての興味なんて無かったんだと思う。

だってその頃はもう、お兄ちゃんがどれほど稀有で尊い存在で有るのかを誰もが知っていたから。

この世の人類の中で最も脅威なことは周知の事実で、それだけでこの家はもう安泰で。

きっと呪力量も術式の有無も、それほど問題じゃなかったんだろう。何故なら、五条悟がもう居たから。
 
落ちこぼれ。卑しい気配が移るじゃない
五条あなた
では、そろそろお暇なさっては?

訳 : なら、さっさと部屋から出てくれない?
お前に従者など要らないでしょう
五条あなた
奇遇ですね。私も前々から申しています

訳 : じゃあ自分から辞めろよこんな仕事。
むしろ、お前が奴隷になるべきよ
五条あなた
 そうですか。それで?

訳 : お前が直接当主に言えば良いじゃん。どうせ出来ないでしょうから 



こんな調子なものだから、7つになる頃には、私の評価はとうに最低街道をまっしぐらだった。

真正面から喧嘩を売るような、最強だからこそ許されていた兄の肥大な態度が似てしまった、傲慢な少女。

そんな噂が常に飛び交い、私の冷淡で見下すような視線を敬遠される中、両親は何もしなかった。

説教を垂れることも、咎めることも、口を挟むことも無く。 … 私を気にする素振りさえ、見せずにいて。
五条あなた
( その頃にはもう知っていた )

" 好き " の反対は無関心。" 期待 " の反対も無関心。

優秀な兄が居るのなら、妹に価値など無い。たとえどれほど才能があったとしても。… 不出来なら、尚更。

育児放棄といえば仰々しいかもしれないが、そもそも仮にも御三家の当主であるはずの父親が正妻と兄と9歳離れた子供を作ったこと自体が闇深い。

それで言うなら禪院の方がよっぽど目に余るのかもしれないが、前提として背景に御三家の腐敗が有る。
五条悟
へぇ。あなたは強いね、本当に
五条あなた
お兄ちゃんほどじゃないよ

あの日、お兄ちゃんはこう言ったけど、私はその意味を理解できなかった。そして、今も。

呪力量、術師としての才能、体術、精神力。

どれをとってもお兄ちゃんには及ばない。この先も、きっと私はこの差を覆せない。… それが全てだ。

少なくともこの家はそうなのに、お兄ちゃんは何で。
五条あなた
それに、御三家は皆こうでしょ?

その返答に、お兄ちゃんは何も言わなかった。

それを、他の何よりはっきり覚えてる。

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