スマホのタイマー音で目が覚めた
いつのまにか寝てしまったようで 、時刻は21時を示し胃は空腹を訴えている
先ほどの モノクロの不思議なセカイ
寝ていたようだから夢だと思ったが 、考え直せばあのセカイは現実に忠実すぎた
あそこに散らばっていた楽譜は 、自分が 、あの日 、最後に弾いた曲の楽譜だった
どういう原理であのようになっているのだろうか
“ 父 ” の声が 、嫌いだ
そして 、久しぶりに聞いた
無言で “ 父 ” は自室へ去って行った 。そんなに今の言葉が気に食わなかったのだろうか
そして僕は 、この言葉を “ 他人 ” が聞いていたとは 思わなかった
セカイから帰ってきて直ぐに 、自室のベッドに突っ込んだ
ここ最近の疲労が一気に来た感じがして少し体が重い
いつもならこんなことはあまりない
幼い頃も今も 、兄のように体が悪い人ではない
兄の健康を自分が奪っていったようで 、幼い頃はずっと申し訳なく思っていた
兄さんの声と 、誰かが歩いていく足音が一階で響いた
音の響き的に父の足音だろう
兄さんならこの時間はもう 、部屋に篭っているはず
それなのに 、1階で 父と喧嘩 しているなんて普通じゃ考えられない
誰かいらっしゃいませんか














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。