真っ青な顔のあなたを石段の角に座らせ、顔を覗き込む。
…ゆっくり休ませてあげんとな。
…こっから、どう連れて帰ろ
シゲの眠る墓は石段をかなり登った小高い丘の上にあった。
…歩いて降りるんは無理やろなぁ
まだ足元がおぼつかないあなた
…さすがにおんぶはまずいやんな。
あなたの腰に腕を回し、俺の方へ引き寄せる。
半分抱き抱えるようにして、ゆっくりと石段をくだる。
……緊急事態やからな、これくらいは許してや、シゲ
下の駐車場について、俺の車に乗せようとした時
あなたが車に乗るのを軽く拒んだ。
…気持ちはわかるけどな、
半分強引にあなたを車に押し込んで、ゆっくり車を走らせる。
後ろのシートに身体を沈め、眼をつむっとるあなた
…こんなんになるまで、ほっとかんと、ちゃんと見とけは良かったやな。
後悔が押し寄せてくる。
…ごめんな、あなた。
俺はいつも以上に慎重に車を走らせた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。