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第4話

第四話 誰が好き?
33
2023/04/02 15:22
悠也が転校してから、1週間経った。
その後から私が悠也と話しているのが多いのを皆見て、私達のカレカノ説が始まった。
悠也はそれを聞いて嬉しそうな顔をしている...
自由な子だなぁ。
悠也
悠也
絃巴〜!
中学生女子軍
中学生女子軍
崎岡君カッコいい〜!
中学生女子軍
中学生女子軍
絃巴とお似合いカップルじゃん〜!
悠也
悠也
今日一緒にパフェ食べに行かない?
新しい店らしいけど(ニヤニヤ)
ニヤニヤ隠せ、バカ。
私はそう思っていたが、パフェが大好物だから、許した。
wwwwwwww
軽すぎでしょ、私。
ウキウキしながら、放課後を待った。
「キーンコーンカーンコーン」
「ちゃんと宿題してこいよ〜」
予鈴が鳴って、学校終了。
私は、塾がないから、いつもフリー。
悠也
悠也
よし、行こ〜ぜ。
絃巴
絃巴
パフェ楽しみ〜
私達は学校を歩いて出た。
すると、悠也の衝撃的発言。
悠也
悠也
俺の自転車で行こ。
え、うちの学校禁止だよね、チャリ登校。
センセーにバレたら殺されるで。
そう思いながら、私は悠也を見て、頷いた。
絃巴
絃巴
了解。
私がそう言うと、茂みから自転車を取り出している悠也が見えた。
わあああああああ
殺される...
悠也
悠也
後ろ乗って。
ヘルメットつけて。
それじゃーないと事故った時危ない。
意外としっかりしてるところあるんじゃん...
私はそう思っていると、もう後ろに座っていた。
悠也
悠也
行くぞ。
悠也は良い不良グループの団長。
凄い強いんだよ。
悠也
悠也
絃巴ってさ、部活に入ってる?
絃巴
絃巴
入ってないけど?
悠也
悠也
俺、バスケ部に入りたいかもな、って。
絃巴
絃巴
あー、バスケ部...?
へぇ...
悠也
悠也
弓道も良いかも。
あー、和風系じゃない、悠也は。
私はそう思いながら、笑った。
絃巴
絃巴
悠也なら、バスケ部っぽい。
なんとなく。
そう言っている間に、パフェのお店に着いていた。
悠也
悠也
よし、入ろうぜ。
悠也がそう言うと、その声と重なるように、知っている声が聞こえた。
紗千
紗千
風夜〜!
行こうよ〜!
風夜
風夜
あ...うん。
紗千の声が聞こえた。
あぁ...嫌だ。
それに気づいた悠也は私の手を優しく握った。
やっぱり落ち着くんだ、悠也の手。
「いらっしゃいませ〜」
悠也
悠也
2人で。
「こちらへどうぞ〜」
ボックスシートに案内されて、私達は座る。
メニューを開けると、最初のページは飲み物だった。
そして、次のページに、パフェの色々な種類が書いてあった。
桃、レモン、フルーツ、チョコレートなどなど。
私はレモンをジッと見つめた。
悠也
悠也
あ、絃巴はレモン好きなんだっけ?
絃巴
絃巴
中毒レベルで好きだよ。
悠也はチョコレートのパフェをガン見。
あ、コイツ甘党だった。
「ご注文はお決まりでしょうか〜?」
絃巴
絃巴
悠也、どう?
悠也
悠也
だいじょーぶ。
もう注文しちゃって。
絃巴
絃巴
私はレモンパフェで。
私がそう言うと、悠也はニコリと笑った。
あ、やべぇ...
悠也
悠也
俺はチョコレートパフェください。
「は、はいっ!」///
店員さん赤くなってるじゃん...
私が困った顔をしていたのか、悠也は私の頭をポンポンッと優しく撫でた。
悠也
悠也
大丈夫。
好きなのは絃巴だけだからね。
そう言う問題じゃないッ!
と言おうと思ったが、カッコいいから許す。
私はケータイを出す。
絃巴
絃巴
パフェの写真、トモスタに載せよっと。
悠也
悠也
あ、じゃあ俺も。
悠也のケータイのケースは黒いバックグラウンドに赤いインクが散りばめたようなケース。
不良感が出てて、かっこいい。
私のケースは海のウェーブ系。
めっちゃ綺麗。
悠也
悠也
綺麗だな、
え...
私が、綺麗!?
私は急にドキドキしてしまった。
悠也
悠也
スマホケース。
はぁ...
スマホケースのことならちゃんと言ってよ!
私の顔が曇ったのを気づいたのか、悠也は少し笑った。
悠也
悠也
絃巴はと〜っても綺麗だよ。
絃巴
絃巴
!?
な、なん!?///
なんで赤くなるの。
私は風夜のことが好、きなんでしょ..?
私は思わず考え込んでしまった。
私は誰が好きなの...?
「お待たせ致しました。
チョコレートパフェとレモンパフェでございます。」
店員さんの声っを聞くと、私は我に返った。
悠也
悠也
絃巴、大丈夫?
心配そうな悠也の声を聞いて、私は笑顔を作る。
絃巴
絃巴
大丈夫だよ。
写真撮って食べよ。
私がそう言うと、悠也は笑って頷いた。
すると、後ろのシートから声がした。
「お待たせ致しました。
いちごバフェとコーヒーパフェでございます。」
紗千
紗千
わぁ〜!
美味しそっ!
写真撮って載せよ〜!
風夜
風夜
うん、そうだね。
美味しそう、とても。
紗千と風夜の声。
すると、紗千が私達に気づいたのか、声が高くなった。
紗千
紗千
風夜も入って〜!
トモスタに載せるんだから!
風夜
風夜
はいはい。
私がまた顔を曇らせたのに気づいたのか、悠也は写真を素早く撮り、自分のパフェをパクリと食べた。
悠也
悠也
んっま。
食べているのを見て、私も手を動かす。
二人でパフェ食べに来てるんだから、楽しまないと。
レモンパフェが掬ってあるスプーンを口に運ぶ。
絃巴
絃巴
美味しい
私がそう言うと、悠也は自分のパフェを掬って、私の口に運んだ。
悠也
悠也
美味しいから。
はい、あーん。
何あーんしようとしてるのよ、このバカ!
私がそう思っていると、もう口の中にはスプーンが入っていた。
甘いチョコレートの味が広がる。
甘すぎ...
絃巴
絃巴
甘すぎでしょ。
これ食べて。
悠也
悠也
(パクっ)
悠也が一口食べると、すぐに顔色が変わった。
あー、この人レモン嫌い系なのかな。
絃巴
絃巴
どー?
悠也
悠也
何これっ(ゲホゲホ)
酸っぱいくて美味しいのに...
私が思っていると悠也は少し笑ってしまった。
悠也
悠也
美味しいのに...って思ったんだろ。
絃巴
絃巴
え、エスパー?
悠也
悠也
違うっつーの。
顔に出てるんだよ、バーカ。
絃巴
絃巴
そういうことね。
分かったよ。
私はニコリと笑いながら、自分のパフェを食べた。
その時に、悠也がもう食べ終わっているのを気づいた。
絃巴
絃巴
食べるの...早くない?
悠也
悠也
お前が遅いだけ。
ニコリと笑う悠也を見ると、胸がキュッとしまる。
私は風夜が好き。
好き...なの?
分からなくなってきた。
私は誰が好きなの。
悠也はまた悩んでいる私を見ていた。
ボーッとしながらパフェを食べていると、パフェがあっという間に無くなった。
悠也
悠也
...絃巴、俺の家に行くぞ。
話したいことがあるっから。
悠也は素早く会計を終わらせて、私に言いながら、私の手を引いた。
その時、私は見えてしまった。
風夜が私達の事を見ている事を。
あの悲しそうな、辛そうな、目で見ていることを。

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