ベッドに座ってると、香を焚く準備をしてる新さんがそう言った
研究所では満腹になる量は出なかったし、弱ってる子に分けたりして、帰ったら幻覚で
まともに食べれた事なんてない
目を反らしてると、横に新さんが座った
香に火をつけて、効果を待つ
血の持ち主が操ってた幻覚をそのままあなたの下の名前さんに移したのだから、力の差が分かってしまう
逆を言えば、弱い力だったら慣れるまでそれほど掛からなかっただろう
「___消えるよう念じる、とか」
はっと我に帰って、自分の左手首を右手が強く掴んでいた事に気づいた
右手を離すと、少し爪が食い込んだのか手跡と一緒にぷつっと血が滲んでた
答えると隣に居た新さんが立って、机の上や椅子の背に触れる
優しい人だなと安心すると、少し怖さが和らいだ
あなたの下の名前さんを見ると、右手で二の腕を掴んで、視線を反らして唇を噛んでた
肩に触れると、気づいたのかハッとしてこっちを見た












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!