「だいぶ落ち着いた方です。手、握ってあげてください。」
病室に入る前に検温や色々とチェックをされた。
今のニノには風邪が命取りだからちゃんとチェックしなければいけないらしい。
ガウンに2重のマスク。
「かず…来たよ」
「…ま、…めん」
管が取れて酸素マスク状態のかず。
会うなりごめんねごめんねと繰り返す彼に俺らがしたことの重さを感じさせられる。
「かず、悪いのは俺ら。本当にごめん。」
「ニノちゃん、、ごめん」
「ニノごめん。早く元気になれよ。」
「ごめん。悪いことした。」
みんなが次々に謝っていく。
嬉しそうに目を細めたかず。
目尻から涙がこぼれる。
と同時に咳き込む。
揺れる胸、乱れるモニタの波。
ついにアラームがなり、俺らは10分もしないうちに強制退出。
かずは泣くことも下手したら死ぬことに繋がるらしくて、本当に生死の境目を生きている状態だった。
「ニノ、酸素マスク取れたって」
「え!まじ!」
「遂にじゃん!」
「でもまだ鼻のやつはつけてるらしいけどね」
「成長成長!凄いなまじで!」
「お祝いだなっ!」
「だなっ!」
お祝い、お祝い…
「あ゛! 明後日かずの誕生日だ!」
「え、うそ、ガチ。」
「明日土曜だし買い物行けるよね?」
「行ける行ける!」
「今日はみんな徹夜でプレゼント考えて!」
「らじゃ!」
「おけまるぅ」
慌ただしい俺ら。
みんなかずが大好きで大好きで、楽しそうにプレゼントを考えてる。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。