私の生まれた一族は鬼に贄を捧げる村の長の一族だった
この村の掟として長の一族の子供一人を残して”全員”捧げる代わり村を
守ってくださる、という残酷なものだ
それは、私も例外ではなく私も贄の対象であった
私には三人の姉と一人の兄、そして一人のかわいい弟がいた
もちろん、跡継ぎは鬼に忠誠心があって優秀な人材が選ばれる
姉は、薄っすらとしか記憶がない
私が生まれる前に捧げられた千代子姉さん、
私が二歳の頃、兄が五歳の頃に捧げられた和葉姉さん、
弟が生まれた年、私が六歳の頃に捧げられた文葉姉さん
どれも私の小さい頃になくなってしまったからもう顔も覚えていない
兄の藍斗とは3歳差だったのでどっちが跡継ぎになるのかを競っていたので
仲はあまり良くなかった
唯一、仲が良かった雷太はとっても、とっても可愛かった
こんな平和が続けばよかった、こんな家系に生まれてなければ
”次の贄は藍斗に決まった”
父がそう言い放った途端、私は喜びと同時に絶望を感じた
そう、弟と跡継ぎ争いをしなければならなくなってしまった
心底驚いた
先祖を見逃してくれたとはいえ、こんな家に生まれてくるなら
生まれていないほうがいいとでもおもった
この子が次の長だな、そう思った
そう、つまり
次に続きます♥












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。