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第25話

番外編
131
2022/06/12 02:12
日曜日の午後8時。
塾の講習が終了し私は自宅へと急いで自転車を走らせる。
この塾が終わり自宅へと向かう瞬間がなぜか私は嫌いではない。
塾から自宅へは自転車を急いで走らせれば5分の距離にある。
急ぐ理由など一つもないのになぜか私の心は浮かれて立ち漕ぎになりながら自宅へと進むそして、玄関にまでたどり着いて後悔する。
なんでこんなに急いで帰って来たのだろう。この家に私の居場所など存在しないのに…。
ドアを開けると父と母の怒鳴り声が響く。
私のさっきまでの浮ついた心は完全に冷めきっており私は駆け足で階段をのぼった。
自室に入り鍵を閉めた。
ベットへと横たわりスマホを操作してYouTubeを開く。
しばらく画面をスクロールしていたがやがて電源を切りスマホをベットに投げ出した。


覚えていないけどこの時間は全てを忘れられるとても大切な用事があったような気がする。


用事が思い出せなくなってから日曜日の午後8時は何処か心にポッカリ穴が空いた気分になる。


きっと今後その大切な用事を思い出す事はないのだろう。どんな用事かも思い出せないのにその事だけは頭の何処かで理解することが出来た。
不思議と残念という感情より感謝という感情が湧き上がるのはこの日曜日の午後8時という時間が私にとってとても大切な時間だった証なのだろう。
ポッカリ空いた穴が感謝の感情で埋まった時私は深い眠りについた。
自室のカレンダーには6月4日に印がつけられていた。
これにで番外編完結です。
男の言った通り記憶自体は消えてます。
日曜日の午後8時は公式生放送
カレンダーに印がつけられていた6月4日はすとぷり結成日です。
あさひ
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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